初のシングルリリース!「Rightfully」に迫る
2018年12月5日、自らを「世界基準の音楽制作集団」と名乗るMiliが1stシングル「Rightfully」をリリースします。
2012年の結成から6年。
アルバム3枚にミニアルバム1枚とリリースを重ねてきた彼らですが、シングルのリリースはこれが初めて。
今回この曲がシングルカットされたのも10月より放送されているアニメ「ゴブリンスレイヤー」のタイアップを受けてのものです。
これまでシングルリリースがなかったのは
他のアーティストと比べれば、それだけの楽曲を持ちながらシングルをリリースしていないというのは異例。
これは彼らが現代社会に対して、人に聴いてもらえる発信の仕方を模索した結果ではないでしょうか。
Miliの活動で代表的なのはやはり世界的に人気を誇るスマホのリズムゲーム「Deemo」や「Cytus」への楽曲提供。
今や人々の生活の一部であるスマホの中にアプローチすることで自らの音楽を広めようとしたのです。
従来のアーティストとは違った切り口から活動を展開するその発想力は、彼らの楽曲の中にも表現されているのではないでしょうか。
アニメ「ゴブリンスレイヤー」について
リリースに際してギタリスト、コンポーザーのYamato Kasaiは「アニメのOPとしては挑戦的な楽曲になった」と語っています。
これは、一筋縄では語れないアニメの深い部分を描こうとした結果。
楽曲の考察に入る前にアニメについて知っておきたいところです。
「ゴブリンスレイヤー」がどういった作品なのか、ここで少し触れておきましょう。
出自はネットから
『ゴブリンスレイヤー』は蝸牛くもによる日本のオンライン小説およびライトノベル。文庫版はGA文庫より2016年2月から刊行され、イラストは神奈月昇。元はWEB作品(いわゆるやる夫スレ、下記「AA作品版」参照)でAA(アスキーアート)と組み合せて公開されていた作品であり、これを同作者がオリジナルの一般小説として作り直し投稿した作品が文庫として商業化したものである。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴブリンスレイヤー
元はオンライン小説だったというこの作品。
2chの文化の一つであるアスキーアートと組み合わせて公開されていたというのも興味深いです。
音楽もそうですが、小説も最近は出自がネットからというものが珍しくないのですね。
あらすじは?
気になるあらすじは以下の通り。
最下級モンスターであるゴブリンのみを狩る冒険者・ゴブリンスレイヤーの活躍を描く作品である。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴブリンスレイヤー
ゴブリンと言えば、数あるRPGの中でも一番弱い部類のモンスター。
大体は序盤にしか登場せず、それほど脅威になることはありませんよね。
一般的なアニメの主人公はより強い敵と出会うことで強くなっていくものです。
対して「ゴブリンスレイヤー」の主人公はなんとゴブリンだけを狩る冒険者。
これだけを聞くと「え?それってどう展開していくの?」となってしまいます。
しかし、そんな最弱のゴブリンを巡る設定がこの物語の面白いところなんです。
1匹なら力自慢の村人でも倒せるほど弱いが、群れをなして残忍狡猾なやり口で冒険者たちを陥れる存在であり、油断すれば村を滅ぼすことすらある脅威として描かれる。群れの数の多さから冒険者ギルドへの依頼が多いことに比べ、依頼者が貧しい村であることから報酬は少なく、弱いと認識されるゴブリンを殲滅しても名声は得られないため、熟練の冒険者は依頼を受けず、新米の冒険者が依頼を受けることが多いという社会問題がある。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴブリンスレイヤー
最弱の存在として甘く見られ、討伐する冒険者が居ないことが原因で脅威になるゴブリン。
その社会問題に名声や報酬を気にせず立ち向かうのが主人公、ゴブリンスレイヤーなのですね。
楽曲はそんな彼の闇の部分を表現したものだとのこと。
そう、主人公の抱える闇もまた、この物語を面白くしている要素なのです。
両親を亡くして姉に育てられるも、10年前に故郷の村をゴブリンに滅ぼされた挙句に姉を惨殺される一部始終を目の当たりにし、その後5年間「先生」によって鍛えられた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴブリンスレイヤー
誰もやりたがらないゴブリン狩りを自ら買って出るのには、こんな理由があったのですね。
こういった物語の闇の部分に着目した楽曲はどのように描かれているのでしょうか。
続いて考察していきます!