あの『人魚姫』の物語かと思いきや

一体どんな物語?

有名な人魚姫の童話といえば、大体の人がアンデルセン原作のものを挙げるでしょう。

美しい声とひきかえに人間になったものの、王子の心を手に入れられず最後には泡になってしまう…

悲しい恋の物語ですよね。 

Miliの楽曲『Bathtub Mermaid』も、そんな人魚を題材にした恋の物語です。

しかしどうやら、わたし達が思う人魚姫のラブストーリーとは違っているのだとか。

和訳をして徹底的に解剖していきました。

冒頭に太字・斜体で記してあるのが和訳です。

歌詞を和訳&解説!

漂う潮汐にて

Rise and fall
Silver moon tide erased my foot prists
Then I picked up broken scales
Stuck them to my tail

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“漂う潮汐

私の足跡は銀色の月光に消し忘れ

そして私はばらばらになったウロコを拾って

尾びれに飾り付けた”

 

冒頭の部分です。

歌詞から主人公が海の中にいることがわかります。漂っているのは主人公です。 

足跡が残っているということは、足があったということ。

しかし次の歌詞では、「ウロコ」、「尾びれ」といったワードが登場しています。

主人公が人間になったあと、人魚に戻ったと考えるのが自然でしょう。

足跡が残っているということは、地面は柔らかい素材で出来ています。

人魚姫ですから、舞台は砂浜かもしれません。

残っている、などではなく「消し忘れ」たという表現から、負の感情を感じますね。

足跡はそのままの意味ではなく、記憶過去、というとらえ方もできます。

ばらばらのウロコが表す意味とは

 「ウロコ」の状態も気になりますね。

何かの比喩だとするならば、それはすでに壊れているようです。

しかし、主人公はいまだそれに縋りついていると考えることが出来そうです。

きっと美しい思い出なのでしょう。 すでに全て過去の出来事なのがわかります。

しかも、冒頭の部分から、人魚→人間→人魚と姿を変えているのだと察することができます。

 アンデルセン版の『人魚姫』を思い出してください。

人間となった人魚が元に戻る方法は一つ。ナイフで王子を殺し、その血を浴びること。

でなければ、主人公は泡になって消える運命です。

人魚姫(主人公)が泡にならず人間になっているということは、主人公は王子(「あなた」)をナイフで刺したという解釈もできそうです。

熱烈な愛の告白! 私と一緒にいて!

盲目な愛を求めている

If love truly makes you blind
Then I guess
There is no need (There is no need)
I’ll trade my eyes
So you can see for me

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“もし愛があなたを盲目にするなら

私はもう見る必要はない

私と目を交換しよう

私のかわりに見ればいい”

 

分かりにくい表現ですが、要は愛の告白です。

私は目を失っても構わない、あなたに(あなたが盲目になるほど)愛してほしい、と言っています。 

「あなた」に臓器が移植できる=主人公は人間と考えることもできます。

もっとも人魚がいるような世界で、移植や拒絶反応などという現実的なことを考える必要はないかもしれませんが…

あなたの身体を……

Lulala Lulalila
Stay with me
You will never be sad

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili