身体の一部さえ「あなた」に渡す人魚

Whatever you need
Whenever you need
I’ll be by your side

And then I gave you my eyes
To see all the colour
And then I gave you my ears
To hear all the sirens

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“何でも

いつでも

欲しいものをあげるよ”

“そして君にわたしの目をあげた

この世の色彩を見れるように

そして君に耳をあげた

セイレーンたちの歌声が聞こえるように”

 

ここで主人公は「あなた」に目をあげています。

これは「あなた」が愛で盲目になったからというよりも、「あなた」が望んだから、という献身を強く感じます。

セイレーンというのは上半身が人間の女性、下半身が鳥の姿の怪物です。

美しい歌声で船乗りを魅了し、船を沈めるという言い伝えがあるのだとか。

最近は人魚の姿をしているセイレーンも描かれるようになりました。

主人公は人魚ですあり、セイレーンとも言えるでしょう。

私達の歌声が聞こえるように、と言い換えることもできそうです。

心臓さえも

And then I gave you my heart
To fill in the emptiness in your chest
And then I gave you my brain
So that you can learn to love

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“そして君に心臓を与えた

あなたの心の穴を埋めるように

そして君に脳を与えた

愛する方法を覚えられるように”

 

「あなた」に次々と大切なものを与える主人公。

まさかオズの魔法使いに出てくるブリキの木こりやかかしのように、心臓を持っていなかったわけではないでしょう。

「あなた」は過去に何かを失ったせいで傷つき、誰かを愛することを忘れてしまっていた…ということだと考えられます。

哀れ儚き浴槽の人魚

それでも私を見てほしかった

Tell me tell me
What do you see
In the water that’s clinging onto my skin
Cut me cut me
Please make it deep
If I’m covered in scars
Will you look at me

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“キスして キスして

離さないで

切り分けて 切り分けて

奥深いところまで

傷だらけになったら

私のことを見てくれるよね”

 

今までの献身の理由がここで明かされます。

もちろん「あなた」を想い愛しているが故の行動ですが、心配してほしいという思いもあったのです。

「私は浴槽の人魚」

I’m a bathtub mermaid
I cannot swim but onry sing

Just pull the plug
Flush down all your memories
Into the sea

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“私は浴槽の人魚

歌えるだけで泳げはしないの”

 

“私は浴槽の人魚

栓を抜けばいい

記憶を海に

流して”

 

「ごく限られた環境でしか生きていけないか弱い生き物」という、「籠の鳥」に似たニュアンスも感じます。

栓、とはもちろん浴槽の栓のことでしょう。

すべてを流し、忘却することもできると言っています。

 「あなた」が飽きたり嫌になったら捨ててもいいのよ、と。

まとめ