【あの手、この手】とはどんな曲?
sumika×吉澤嘉代子
今回紹介する曲はsumikaの【あの手、この手】です。
この曲は2019年3月13日に発売された2ndアルバム【Chime】に収録されています。
「君の膵臓を食べたい」で話題になった楽曲たちも収録。
その中でもこの曲【あの手、この手】にはゲストヴォーカルがいることで注目を集めました。
それがシンガーソングライターの吉澤嘉代子。
彼女は岡崎体育、私立恵比寿中学からハマ・オカモトなど数多くの名だたるアーティストとコラボしてきました。
そしてsumikaとのコラボ。
楽曲では前半をsumikaが歌い、後半を吉澤嘉代子が歌っています。
つまり前半と後半で雰囲気が変わる、2度楽しめる楽曲なのです!
「手」を題材にした楽曲
【あの手、この手】。
なんともあまりタイトルらしくない曲名です。
しかしここにはヴォーカルが2人いることも示唆されていたのかもしれません。
sumikaの手と吉澤嘉代子の手。
2人の手があるんだよというちょっとした遊び心も込めていたのでしょうか。
そしてタイトル通り曲中には「手」という単語が多く登場します。
いったいsumikaはどんな想いをこの曲に込めたのでしょうか。
歌詞から徹底考察していきたいと思います。
sumikaらしさ溢れる歌い出し
春の歌
春風吹けども まだ冷える夜は
二人の手を戸惑わせた
出典: あの手、この手/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
この楽曲の季節は春のようにイメージできました。
爽やかな歌声と明るい曲調には、春のような陽気さを感じさせます。
そしてこの楽曲も春。
しかし、序盤はどうやら不穏な雰囲気ではじまります。
「冷える夜」や「戸惑い」。
ネガティブなワードが続きます。
ここから考察されるのは嬉しい日も寂しい日もあるんだよということです。
春風=気持ちの良い日々。冷える夜=嫌な日々では、ないでしょうか?
誰でも人生には良いことも悪いこともあります。
それが日常だとしても不安になることも多いでしょう。
2人の軌跡を描いた曲
手と手握りしめ 歩いていた夜の
始まりと終わりの歌
出典: あの手、この手/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
歌詞から分かるのは2人で歩んで乗り越えていた日々。
そう。「乗り越えていた」と過去形になっているのです。
その後にも続くように「終わり」という強烈な単語が出てきます。
苦楽を共に乗り越えてきたように見える2人。
1人ではなく2人だから支え合い、歩むことができました。
しかしそんな2人に訪れた別れ。
この曲はそんな2人の出会いと別れの曲のようです。
表現力の高さに驚かされる
「手」が教えてくれる物語
汗ばむ右手 冷えた左手
出典: あの手、この手/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
ここでは手が、2人の感情を教えてくれます。
右手と左手、これは2人の片方ずつの手のことでしょう。
どっちの手が2人のものかは描かれていません。
しかし心情だけは読みとれます。
何かに疲れ、ストレスを抱えてしまっている右手。
そして心を閉ざし、人を信頼できなくなっている冷えた左手です。
人の心を手で表現する表現力には驚かされました。
片岡さんの語彙力の豊かさには、この歌詞をさらに読み解きたくなる気持ちを抱かせます。