2021年1月6日に発売された両A面シングル「本音 / Late Show」
今回考察していく「Late Show」は、日本テレビ系 「スッキリ」の 1月テーマソングに抜擢されました。
タイトルを普通に読むと「レイトショー」です。
レイトショーはそのままの意味の場合「20時以降にスタートする映画」を指します。
英語のLateを日本語にすると「遅い」の意味を連想する人が多いかと思います。
しかしその他に「終わりに近い、最近の」という意味も存在しているのです。
Showは他にも動詞では「(好意・感謝などを)示す,捧げる」、名詞では「映画、機会」という意味もあります。
sumikaはこの「Late Show」で何を思い、何を伝えたかったのでしょうか。
早速歌詞を考察していきたいと思います。
曲の全体像
Late Showは失恋ソング?
曲名だけをみるとバラードを連想してしまいそうですが、いい意味でとても裏切られます。
失恋ソングの様にも思えるこの曲ですが、曲調は非常にアップテンポで疾走感に溢れているためです。
最後までその勢いは止まることなく、駆け抜けていきます。
全体を通して自問自答しているような箇所が多数見受けられるのも特徴です。
自分自身との葛藤が隠すことなくダイレクトに描かれています。
衝動的に始まる出だし
曲の導入部はボーカル片岡健太さんの息継ぎで始まります。
呼吸さえも歌詞の一部の様に思える歌い出しが、この曲により一層疾走感を与えているのです。
スリリングな展開
あげるあげる
もらうもらう
はしゃぐつねる
時に抱き合あう
拗ねる照れる
祝う誓う
脆く崩れ
綻びがでる
出典: Late Show/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
曲の最初は非常にリズム感のある3文字の言葉が続きます。
2行目では自分が相手にしたことに対して、自分も相手から同じ行動を受け取っている様子が読み取れます。
また、3行目からは恋人たちの物語だということがわかります。
何をしていても楽しい、一緒にいるだけで満たされる。
付き合いたてのカップルの1番楽しい時期を表しているのでしょうか。
最初は幸せなカップル像が綴られていたのに対して、7行目を皮切りに状況は一変します。
曲が始まってからここまでわずか10秒。
恋愛というものの難しさが垣間見える場面です。
さっきまで上手くいっていた2人の未来はどうなってしまうのでしょうか。
何が嫌になったのか?
嗚呼
「もう嫌になっちゃった」
兎角誠心誠意向き合っても
掛け違えたボタンは一方通行退路はない
出典: Late Show/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
いろいろ自分なりに試行錯誤して相手と向き合ってきた
しかし、相手のことが全然わからない。
何をしても上手くいかないという状態に陥ってしまい、そんな事実に疲れてしまったようにみえます。
ここがもし「もう嫌になってしまった」という表現だと、深刻な表現だと捉えられるでしょう。
しかしそうではなく、カジュアルな表現をされているのです。
「本当は嫌になりたくはなかったけれど、嫌になってしまったよ。」というふうに捉えられます。
少し後悔の意味を含んでいる様にも読み取れる表現です。
ボタンの掛け違いは最後のボタンになって初めて気づきます。
ここでは、ボタンによってもう後戻りが出来ない状態を意味しているようです。
相手に対して嫌になったというよりは、自分自身に対してのニュアンスが強い様に読み取れます。