そしてこちらが、期間生産限定アニメ盤です。このジャケットは「瞬く星の下で」とのタイアップのためだけに書き下ろされたそうですから、とても貴重ですね。
収録曲は同じですが、やはりジャケットがアニメ盤になっているだけで、より一層インパクトがありますし、アニメファンとしては気持ちがあがりますよね。
1. 瞬く星の下で
2. 極上ランディング
3. むかいあわせ
4. 瞬く星の下で <アニメVer.>
出典: 瞬く星の下で/作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一
「マギ」についてざっくり紹介
ポルノグラフィティが主題歌を担当した「マギ」について簡単にご紹介しましょう。
世界を統べる王の器を見つけ出す役目を持った「マギ」の少年・アラジンと、アラジンに王の器として選ばれた(アラジン本人は選んだ自覚はない)少年アリババの話です。
2人がダンジョンという不思議な世界を攻略しながら、徐々に世界の異変や脅威と向き合って行くという、冒険アドベンチャーですね。
魔法や激しいバトル、友情や裏切りなど、少年マンガに必要な要素が全て詰め込まれた傑作です。
舞台や衣装もどことなくアラビア風の世界感ながら、オリジナリティ溢れる世界感が魅力です。
個人的には、ジュダルくんが大好きでした。途中から白龍くんも面白かったですね。
カップリング曲も主題歌候補だった
実は、表題曲の「瞬く星の下で」意外にも、カップリング曲として収録されている「極上ランディング」も、主題歌候補だったと言われています。
アニメ側からのオファーは「スリリングでアップテンポなもの」でしたが、あえて逆をいったのがこの楽曲です。
結果的に「瞬く星の下で」が主題歌に選ばれましたが、あえて逆をいってみた昭仁さんの感性も面白いですよね。とても前向きで、やる気になれる曲です。
かといって熱すぎず、ほどよい温度感も素敵ですね。では、歌詞を見てみましょう。
アイドリング終えて 秒読みに入って いざ飛び立とうか
行方は不明だ どこへランディングを決めようか
出典: 極上ランディング/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
「極上ランディング」は岡野昭仁さん作詞ということもあり、とても前向きで明るいメロディーですね。
誰かが育てた甘い果実は
喰い尽くされて残骸の山だ
全身全霊で埋もれたままの
小さな希望の種を探そう
きっと不確かな努力でひたすらむなしさの連続
残る進路はこれしかない
出典: 極上ランディング/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
「誰かが育てた甘い果実は喰い尽くされて残骸の山だ」という歌詞は、どんな困難にも、希望を捨てずに立ち向かうアラジンとアリババの姿と重なります。
努力しても報われるとは限らず、辛い思いをしたり、時にはむなしささえ感じることがあっても、残された道を信じて突き進むという歌詞が昭仁さんらしいです。
まだ見えない大地 凹凸が激しい土のままだけど
極上ランディングを決めるから キミに目撃者になって欲しい
出典: 極上ランディング/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
「キミに目撃者になって欲しい」という歌詞も、ずっとそばでアリババを見つめてきたアラジンが、アリババの導き出す全く新しい世界に魅了される姿とつながります。
アリババは誰にもできなかったことを、実にさらっとやってのけてしまうところがありますから、ぴったりですね。時代が動く、世界が動くその瞬間の目撃者。
それがアリババ自身でもあり、アラジンなんだと思います。
全部「マギ」曲
「むかいあわせ」は元々、「つるかめ助産院〜南の島から〜」というドラマの主題歌候補として作られたようです。
実際には、同じく昭仁さん作詞作曲の「カゲボウシ」に決まりましたが、たしかにゆったりとした曲調は似ています。
それとは別に、個人的には「むかいあわせ」もマギっぽいと思っていました。
ED曲にしたらぴったりじゃないかと。なので、個人的に「瞬く星の下で」はマギ曲シングルなんですよね。
おかえり やっと会えた ずいぶん長い旅だった
途中でそっと呼び掛けたけど前を見たまんまで応えなかった
どこへ行けた?何を見つけた?誰かのこと好きになった?
もっと笑って話してごらんよ ずいぶんと曇った顔してる
出典: むかいあわせ/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
「おかえり やっと会えた ずいぶん長い旅だった」という歌詞が、旅を続けるアラジンとアリババにぴったりだと思いました。
実際、2人は一時的に別行動を取ることがありますし、アリババが何を見てきたのか、アラジンはとても興味深かったみたいです。
だからこそ、2人で旅の思い出を話している場面なんかにいいなと思っていました。
心と心をむかいあわせ 優しく輪郭をなぞった
知らずに放って置かれた傷がいくつか残っていたよ
真っ赤に腫れあがるその傷をさすって元どおりにするよ
ゆっくりゆっくり眠ればいい ボクが守ってあげる
出典: むかいあわせ/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
全体的には「マギ」感は強くないですが、心にそっと寄り添う感じの歌詞が、エンディングにはよく合うと思います。
「ゆっくりゆっくり眠ればいい ボクが守ってあげる」という歌詞は、アリババが迷って立ち止まった時、いつも手を引いて立ち上がらせてくれたアラジンを彷彿とさせます。
また、昭人さんの「守ってあげる」はとても優しいなと感じました。戦って守るのではなく、痛みや悲しみから守ってくれる、そんな守り方もあるんだなあと。
きっとたくさん愛されて育った人なんだろうと、だからこれだけ優しい歌詞が書けるのだと思います。昭仁さんの人柄が出ていて素晴らしい歌詞です。