池田エライザ
1996年生まれのモデル/女優。
14歳から芸能活動を開始した彼女は、2014年より女優としても活躍しています。
女子高生の間では、自撮りのエライザポーズも人気ですよね。
インスタグラムで偶然彼女の歌声を耳にした米津玄師が、彼女にオファーにしたことがきっかけでこの曲は生まれたのです。
歌詞
それでは歌詞を見ていきましょう。
「このキャンディが溶けてなくなるまではそばにいて」と言った
切れかけで点った蛍光灯の下で 現れては消える
テーブルを焦がして残った跡が 嫌に目に付いて笑える
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
この楽曲を最初に聴いたときに思い浮かべたのは「煙草」。
海に立ち込める濃霧と煙草の紫煙って見た目にも通じるものがありますし、「キャンディ」は禁煙補助剤を想起させます。
現れては消えるのも、煙草の火の灯りのようにも見えますし、テーブルを焦がして残った跡、というのも喫煙者っぽいフレーズだなあと、ついつい思い浮かべてしまうのです。
米津玄師さんが愛煙家かどうかは、ちょっと存じ上げないのですが…。
どこで道を間違えたのか 見失ったポラリス 航海の途中
悪魔じゃない 天使なんかじゃない 現れては消える
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
煙草、というのはちょっとお酒に似た、酔うような感覚を呼びます。
煙草を燻らせている時間に、様々な考え事をするのは愛煙家らしい作法。
映画やドラマで、作家先生や映画監督が眉間に皺を寄せて煙草を吸っているシーンを見たことがあるひとも多いのではないでしょうか。
そんな、紫煙に酔う感覚と濃霧に惑う航海をかけている歌詞に読めるのです。
ようそろう 向かうのはホロウ お守り賜う セントエルモ
ようそろう 目の前は最深部 ブラックアウトの向こう もう一度
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
「ようそろう(ヨーソロー)」は、公開用語で船を直進させる掛け声。
「ホロウ(hollow)」は虚ろな場所。
セントエルモは船乗りの守護聖人です。
これらのワードが連想させるのは、もちろん航海。
それもなかなか難航のようです。
濃霧の先、自分の心の奥底に向かう航海は、なんだか煙草を片手に創作に悩んでいる風景ともかぶるのです。
悲しみで船を漕ぐ救えないビリーバー メロドラマはもうおしまいにしようね
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
「悲しみで舟を漕ぐ」とは、創作風景のことでしょうか。
たとえば失恋の体験が楽曲の創作意欲に繋がったりするなどと言う、あの感覚です。
悲しみこそ、米津玄師さんにとって大きな創作の糧なのでしょう。
だからこそ、幸せなばかりの「メロドラマ」を終わりにした瞬間こそ、彼の創作は翼を広げるのでしょう。
北へ向かうハイウェイでパンクして呆然 割れたタイヤが笑える
コーヒーを零して染みた跡が 嫌に目に付く
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
今度は北へ向かうロングドライブの風景でしょうか。
コーヒーを片手に車を走らせる道中、急なパンクに見舞われてしまったのでしょう。
そう、濃霧は航海の時ばかりに現れるものではありません。
運転中に濃い霧に巻かれるのも、なかなか恐怖体験なものです。
夜を誘う怠めの音楽 トレモロの響き 座礁の途中
アップアンドダウン ナイトクルージングなんていいもんじゃない
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
もうよそう 思い出はメロウ 前頭葉切ろう なんて妄想
もうよそう 傷つけ合うのを お帰り願う もう二度と
出典: Fogbound/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師