「YES AND NO」ってどんな曲?
「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」の主題歌
DREAMS COME TRUEの「YES AND NO」はドラマのために書き下ろされた楽曲です。
そのドラマというのが、石原さとみ主演の木曜劇場「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」でした。
病院薬剤師の主人公が、自身と薬剤部のメンバーを中心として、医師、看護師、外部の薬剤師などの医療に関わる役割の人物との間に起こる問題に向き合っていく。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/アンサングシンデレラ
MVは必見
YouTubeにてMVが公開されているので、未視聴の方はぜひご覧ください。
憂鬱そうに生きている少女が、歌によって再び希望を取り戻すさまを鮮烈に描いていました。
ドリカムらしいサウンドは、1度聴けば耳から離れません。
ドラマのストーリーを忠実に再現しつつも、一方で現代社会への鋭い問いかけにもなっています。
吉田美和ならではの鋭くも暖かい歌詞といえるでしょう。
メッセージ性の高い歌詞が、現代社会を生きる私たちの胸を突き刺してきました。
疑問から導かれる答えはなんなのか、歌詞を紐解いていきます。
失敗は許されない
物語の世界観を再現
たったイッカイ やらかしたら終わり
そんなイマを 窮屈に生きてる
出典: YES AND NO/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和,中村正人
上記の歌詞は、病院薬剤師として過ごす失敗の許されない日常を表しています。
主人公である葵みどりは、病院薬剤師として慌ただしい毎日を過ごしていました。
人間は誰しも間違いを犯してしまうものですが、病院薬剤師にそれは許されません。
ほんの少しのミスでさえ、患者を危険にさらしてしまう可能性があるからです。
細い糸の上を歩くような緊張感のある日々を、上記の歌詞で表現していました。
何かを変える力を持ってるわけでもないのに ビビりながら
気配を 普通にシェアしながら
出典: YES AND NO/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和,中村正人
1行目の歌詞は、主人公が医者ではなく病院薬剤師であることを意味しています。
病院薬剤師は医者と違って患者を診察できません。
たとえ処方する薬の指示を医者が間違えていても、病院薬剤師が独断で処方を変えるわけにはいかないのです。
上記の歌詞は、ドラマで葵がある医者に疑義照会をするシーンを連想させました。
患者に早く薬を渡すために葵は食堂で医者に話しかけます。
ですが、食事を邪魔された彼は不機嫌になってしまいました。
それでも彼女は懸命に言葉を重ねて、処方を変更してもらうことに成功します。
2行目の歌詞は、葵が自分の意見を通しつつもなるべく空気を読もうとしていることを示していました。
自分がミスをしたくせに不機嫌そうな医者相手でも、彼女はにこりと笑ってお礼を言います。
内心のいら立ちを抑えて、自分にできることを精一杯やろうとしている証でした。
現代社会を表現
一方で上記の歌詞は、SNSをはじめとした現代社会の雰囲気をも表しています。
不祥事を起こした際、過剰なまでにバッシングされる様子を目にした記憶があるはずです。
たとえ謝罪したとしても、世間はもうその人物を「間違いを犯した人」という目でしか見ません。
1度でも間違いを犯したら、その後もずっとそれを責め続けられることになるのです。
本来人間は誰しも間違いを犯すものなのに、現代社会ではそれが許されない雰囲気となっていました。
大勢で寄ってたかって「間違いを犯した人」を糾弾します。
その様子を見て「糾弾されても仕方ないことをしたんだ」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。
あまりにも沢山の人間によって行われるせいで、誰かがたった1人でその現状を変えることはできません。