マドロスってなに?

船乗りや水兵のこと

数多い美空ひばり楽曲でも、今回紹介するのはマドロス歌謡として有名な一曲。

タイトルは『港町十三番地』です。

この曲はタイトルにあるように港町が舞台

航海に出ていた水兵たちが、久しぶりに土を踏む。

感慨深げな歌詞が心に残る一曲です。

さて、昭和マドロス歌謡っていったいなに?

と思っていらっしゃる方。

筆者がこれから分かりやすく解説したいと思います。

【港町十三番地/美空ひばり】楽曲&歌詞をわかりやすく解説♪昭和マドロス歌謡の定番曲ってどんな曲?の画像

マドロス」という言葉はオランダ語です。

表記は「matroos」。

日本は江戸時代まで鎖国していましたが、そのなかでオランダや中国とは貿易していました。

そういった訳で日本はオランダと昔から交流がありました。

遠く離れたオランダの人々が日本にやってくる。

その手段とはなにか?

これは言うまでもなくです。

遠路はるばるオランダから日本へとやってくる船乗りたち。

彼らのことを「マドロス」というのです。

有名な喫煙具で「マドロスパイプ」というものがあります。

かつてはオランダ人が使っていたパイプ。

こういうところにも長年の両国の関係性が見えてきますね!!

マドロス歌謡の原点はなに?

もともとは"諦め"の歌

では「マドロス歌謡」とはどういう曲を指すのでしょうか?

日本に限らず、海や山をテーマにした歌は多いです。

童謡や民謡にもありますよね。

「マドロス歌謡」も、もともとは"民謡的な唄"として誕生しました。

有名どころでは、茨城県潮来市の風流を題材にした『船頭小唄』。

この歌は野口雨情が作詞、中山晋平作曲

大正時代に大ヒットした歌です。

YouTube」にこの曲の動画がアップされていたので、こちらに引用します。

一度聞いてみてください。

いかがでしょうか?

皆さんが想像していた通りだったでしょうか?

筆者が聞く限り、このような歌がマドロス歌謡の原点だったとは意外でした。

主人公は自嘲気味に「枯れすすき」と綴っています。

そして主人公の妻も、自分と同じくこの世では報われない「枯れすすき」だと。

まるで来世に夢を託しているようです。

茨城県と千葉県を走る利根川を舞台に描かれる人情話

そういった感じが強いです。

マドロス歌謡の定番曲は?

田畑義夫や美空ひばりの曲が有名

【港町十三番地/美空ひばり】楽曲&歌詞をわかりやすく解説♪昭和マドロス歌謡の定番曲ってどんな曲?の画像

マドロス歌謡の原点は小唄です。

時代が進むにつれそれが段々、現在の形式に落ち着いていきます。

ではマドロス歌謡の定番歌手とは誰か?

これはもう「バタヤン」と答えるしかありません!!

「バタヤン」とは田端義夫のニックネーム

そうです、彼が一番の「マドロス使い」なんです。

田端義夫ことバタヤンは1939年『島の舟歌』で歌手デビュー。

2013年に亡くなるまで、精力的に歌手活動を続けてきた伝説的な人物です。

彼が生まれたのは1919年。

なんと94歳まで生きました。

大往生ですね~。

さて、彼のデビュー曲である『島の舟歌』。

これこそが「マドロスもの」という、代名詞的な一曲です。

こちらも「YouTube」からの動画を引用します。

いかがでしょうか?

先ほど紹介した『船頭小唄』とは打って変わって、明るい曲だと思いませんか?

そしてバタヤンの歌が良い!!

歯切れのよい高音とうねるコブシが、いわゆるバタヤン節。

デビュー曲からそれは完成されていたのですね。

マドロス歌謡の特徴点は?

俳句や短歌を思わせるリズムの良い韻律