もう少しMVの内容を見てみましょう。
時折色々な光が輝くシーンを挟みながら展開されるMV。
「凛として時雨」のメンバーを取り囲む光は常に点滅していて、刻一刻とその色を変化させていきます。
カラフルなので一見統一感がないように見えますが、周りの空間が白や黒なので逆にばらけた印象がありません。
この色は一体何を意味しているのでしょうか。
そして、MVの世界はどんなところなのかも気になるところです。
光の色は「PSYCHO-PASS」の色相?
「laser beamer」のMVはとにかく鋭い光を意識したものになっていて目を引きます。
それはタイトル故のことなのでしょうが、何故ここまでカラフルにする必要があったのでしょうか。
たしかにレーザービームの色は様々ありますが、統一してしまった方がばらけた印象になりにくいです。
それを考えた時心当たりとして当てはまりそうなのが、「PSYCHO-PASS」に登場する「色相」。
「PSYCHO-PASS」の時代は、人の精神状態が目に見える世界です。
精神状態が不安定で悪くなると、犯罪に及ぶ可能性が高くなる。
その状態が誰でも簡単に分かるようになるのです。
刑事はドミネーターという銃で精神状態を「犯罪係数」というもので数値化しますが、一般の人は色で見ます。
良い精神状態なら澄んだ青色ですが、悪くなるとどんどん濁って赤くなっていく。
実際MVに登場する光は青や赤、その過程の黄色も入り混じっています。
この色相もまた「PSYCHO-PASS」の大きな要素でもあるので、その可能性はありそうです。
廃墟ビルから漂う事件現場感
「laser beamer」のMVでは数々のビルが登場します。
「PSYCHO-PASS」の舞台でもある都会感満載です。
実は「凛として時雨」のメンバーが演奏しているのもビルの中なのが終盤で分かります。
3人がいる部屋だけがやたらと眩しくて、他の場所は真っ暗。
しかもそのビルは途中のものと違って少しボロボロな印象で、まるで廃墟ビルです。
まさに事件現場にありがちな建物そのものでしょう。
刑事ものと聞いて、多くの人が思い浮かべそうな場所。
プロパガンダと呼べそうなものですが、逆にこの廃墟感が曲の世界観にも合っています。
「laser beamer」歌詞もチェック!
ここまでMVの内容を見てきましたが、歌詞の方も少しだけ覗いてみましょう。
MVは歌詞の内容に沿っていることもあり、楽曲の内容や世界観を掴む上でも重要です。
とはいえあくまでもMVの内容がメインなので、ここではかいつまんで解説します。
「凛として時雨」の歌詞はTKさん独自の世界観全開なので、かなり抽象的なのです。
「laser beamer」も例にもれず少し分かりづらいため、個人的な主観が入りますのでご了承ください。
シビュラが支配する「理想の世界」
もう不完全な隙間は無くて
理想だらけのdystopia
出典: laser beamer/作詞:TK 作曲:TK
「laser beamer」の歌詞で、「理想」は一つのキーワードになっています。
理想が実現した、「完全なる世界」が絵描かれているのです。
しかし、理想的な世界とは呼ばれつつもそれは名ばかり。
実際は理想とは全く違う残酷な世界(dystopia)だった。
「PSYCHO-PASS」のシビュラシステムが支配する、作中の日本を表しているのでしょう。
僕を覗いてよ(僕を繋いでよ)
並べられて 比べられて
僕は今 Iを乱せない
出典: laser beamer/作詞:TK 作曲:TK
1行目は犯罪係数か色相のことを言っているように感じられます。
「PSYCHO-PASS」の世界ではこの数値が低ければ低いほど良い、という価値観が蔓延している世界。
低ければ精神は健康であり、犯罪者になることもないので当然といえば当然ですが…。
それは、他人の色相と比べられてもおかしくありません。
数値と色で生活も職業も結婚相手も、何でも管理される世界を嘆いているように思えます。
「I」の意味
Willの涙は吸い尽くして
AとIが吸い尽くして
出典: laser beamer/作詞:TK 作曲:TK