この部分からラップに入ります。感情を抑えつつ韻を踏み、言葉を選んで「さくら」の主人公の心を解き放とうとしています。
桜の花の下に立って思い出すのは、去年の桜を一緒に見た人のこと。あの日の桜は浮かれるように酔いしれるように、咲いていました。
花びらと長い髪を忘れることが無いように、風も吹いていたはず。
桜は悲しい花、花びらは涙♪
さくら木の真下 語り明かした
思い出は 俺 輝いた証だ
さくら散る頃 出会い別れ
それでも ここまだ変わらぬままで
咲かした芽 君 離した手
いつしか別れ 交したね
さくら舞う季節に取り戻す
あの頃 そして君呼び起こす
花びら舞い散る 記憶舞い戻る
出典: さくら/作詞:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太 作曲:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太
時が立つのを忘れるほど会話をした2人。時間の経過も自分たちで操れる位、輝く時を過ごしていた2人。
今それはすべて過去の出来事です。今年の桜を見ることもなく、別れの日が来ました。
舞い散る・舞い戻る、この韻が桜の中の別れをより一層悲しくさせています。舞い散る花びらは、胸の中に溢れる涙のようです。
花びらが舞う季節は、無意識のうちに2人で桜の下に居たことを思い出させます。
本来なら周りと同じように何も考えずに花を見て浮かれたいけれど、無邪気に桜を楽しむ時間は戻らないのかもしれません。
桜の下の想い出の中で生きている…
「さくら」は5分を超える長めの曲。ラップ部分が長いのですが、詞はとても丁寧に作られています。
この後のラップ部分をチョイスするのに大変迷いました。急いで結論を出さない主人公の思いを汲んで解説を進めたいと思います。
気が付いたのは、至らなかった自分
気付けばまたこの季節で 君との想い出に誘われ
心の扉たたいた でも手をすり抜けた花びら
初めて分かった 俺若かった
この場所来るまで分からなかったが
此処だけは今も何故 運命(さだめ)のように香る風
暖かい陽の光がこぼれる 目を閉じればあの日に戻れる
出典: さくら/作詞:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太 作曲:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太
主人公の想い出に居る人は、大人として振舞うことを知っている人だったのでしょう。
桜の下の輝きや浮かれた気分は、独りだけが感じていた空回りと気が付きました。散り始めた桜がそのことを教えてくれました。
去年と同じ時間・場所・桜の中に独りでいるけれど、閉じた目の中ではあの日の2人があの日のまま、光の中で笑っているのが見えています。
残された想い出は決して、涙の中に沈んだままでは無いと信じたいですね。
出直すために大事にしたい想い出がある
あの日以来 景色変わらない
散りゆく花びらは語らない
さくらの下に響いた 君の声 今はもう
出典: さくら/作詞:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太 作曲:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太
何も変わっていない景色は、あの日隣を歩いていた君の声を思い出させます。その声は記憶の中の存在でしかないけれど。
肩を寄せ合って歩いたあの日のように花びらが落ちてきます。いないはずの君を感じながら桜の下を歩いていきます。
そっと僕の肩に 舞い落ちたひとひらの花びら
手に取り 目をつむれば君が傍にいる
出典: さくら/作詞:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太 作曲:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太
桜が咲く条件は気温の上昇だけではありません。その前の低い気温に耐えることで、つぼみを育て花を咲かせることが出来ます。
別れの経験は暗くツライ想い出ですが、過ぎ去れば心に灯る明かりにもなってくれます。
歌の主人公も来年の桜は笑顔で見られるように、リセットとリスタートが出来るでしょう。恋も人生もやり直しをすることが可能です。
「さくら」はパズルの最後のピースのように、映画「RE LIFE」のエンディングにピタリとはまりました。
コード譜もチエック
Cmaj7 D Bm7 Em7
さくら 舞い散る中に忘れた記憶と 君の声が 戻ってくる
Cmaj7 D Bm7 Em7
吹 き止らない春の風 あの頃の ままで
Cmaj7 D Bm7 Em7
君が 風に舞う髪か き分けた時の 淡い香り 戻ってくる
Cmaj7 D Bm7 Em7
二 人約束したあの頃の ままで
Cmaj7 D
ヒュルリ ーラ ヒュルリーラ
Bm7 Em7
ヒュルリ ーラ ヒュルリーラ
Cmaj7 D
ヒュルリ ーラ ヒュルリーラ
Bm7 Em7
ヒュルリ ーラ ヒュルリーラ
出典: さくら/作詞:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太 作曲:田中亮・大塚亮二・吉田大蔵・河野健太
歌い出しは「サビ」から始まります。ここのメロディーはしっかりと歌いたいですね。コードは繰り返しです。
「Cmaj7→D→Bm7→Em7」を覚えれば大丈夫ですよ。
サビ中のサビは繰返す「ヒュルリ~ラ」大勢の前で歌う時は、はココを唱和して盛り上がりましょう。