シンガーソングライター 須田景凪
ボカロP バルーンとして動画を投稿している
須田景凪は2018年1月にデビューしたばかりのシンガーソングライター。
その正体は、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画投稿サイトで、オリジナルボカロ曲を投稿しているバルーンというボカロPです。
「シャルル」や「雨とペトラ」などのヒット作を持ち、歌ってみたでも人気の高いバルーンの作品。
意味深だと話題を呼んでいる歌詞やMV、タイトルなどを詳しくチェックしていきましょう。
「レド」のMVは何を表しているの?
たくさんの理想を貼った少年
「レド」のMVでは、SNSを中心に人気を集めているイラストレーターアボカド6が動画を担当しています。
映像に登場する少年はメモに何かを書いては、顔やそこら中に貼っている様子。
チラッと映る紙には理想と書かれていますね。
須田景凪は「レド」の内容に関し、自分のこと・悩んでいる自分と世の中とのギャップを書いたと語っています。
メモは自分の思い、あれもこれもと悩んでいることをあざ笑うかのように、一枚の紙が貼られた風船は手元を離れていきます。
1番では風船と向き合い、2番では背中合わせになっていますよね。
自分のことを書いたと言っているように、風船を自分の本心に見立てて向き合い、時には背中合わせで見ないようにすることもある。
最後には自分の意思で顔についた紙を剥がして、視界良好な身体で風船に手を伸ばします。
自分に付いていた想と書かれた紙を風船に付けて、空に飛ばす少年。
最後に風船が割れることでバルーンとしての活動をやめてしまうのでは?と噂になっていますが、そのことについては言及されていません。
少年は須田景凪自身、風船は追い求めている理想、顔に貼られたメモは悩みや不安なこと。
最後には悩みや不安から解放されたということなのかもしれません。
風船が割れたのは理想を追い求める必要がなくなったから、ということなのでしょう。
また、ボカロPの自分(風船)とシンガーソングライターとして活動していく自分(少年)を表しているとも言われています。
初アルバム「Quote」に収録されています
「レド」はファーストアルバム「Quote」に収録されています。
今作ではボカロカバーなどはなく、完全な須田景凪のオリジナル曲ばかり。
須田景凪の世界観を作り出す、一歩目となるアルバムです。
須田景凪にしか表現できない曲ばかりで「レド」以外にも名曲が多く収録されています。
バルーンとテイストは似ていますが、本人もボカロとシンガーソングライターで違う印象の曲を作りたいと言っている通り、新たな表現に挑んでいます。
収録されている曲は全10曲。
このアルバムを引っさげて3月16日には須田景凪としてファーストライブを行うことも決定しています。
何もかもが新鮮で、どこかノスタルジックな雰囲気も感じるアルバムです。
タイトルと歌詞に込められた思いとは
タイトルを英語で書くとlead
「レド」はカナカナ表記のタイトルですが、MVの中盤でleadと書いてあるシーンが登場します。
leadは普通に読むとリードですが、レドもしくはレッドと読むことのある単語です。
訳すると導く・誘導する、または鉛という意味も持っています。
MVの内容と照らし合わせて考えると、風船は飛んでいったのではなく少年を導いた。
悩んでいる少年を誘導するかのように、空高く舞い上がって道標となったのかもしれません。
また、落ち込んでいるときや憂鬱な状態のことを、鉛のように重いと表現することがあります。
悩んでいる自分を書いたと語っているところを見ると、少年の抱える思いをタイトルに込めたとも取れますね。
ぐるぐると巡る思い
宙に舞った 幸せなんて
此処には今もない様だ
気付いたら色を増していく
その度に思い知った
想に酔った 思い出なんて
個々では意味もない様だ
言葉は街を彷徨っているんだ
相反した瞳は ただひとつの証明だ
いつまでも この日々に囚われて
あなたが口にした 言葉は今頃
息をして歩くのだろう
出典: レド/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
ここにはないという言葉は、今までとは違うフィールドに立っていることを指しているのでしょう。
前の舞台では輝かしい功績を持っていても、ここでは何の役にも立たない。
思い出も幸せもないこの場所で、囚われたように街を歩く。
相反した目を見ると、反対の位置に立っていることを表している。
ここはボカロPバルーンと、シンガーソングライター須田景凪という意味なのでしょう。