2コーラス目、Aメロの歌詞です。
この部分はさまざまに解釈できますが、「種」とは彼女と交わした「誓い」だったのではないかと思えます。
「あれをしよう」「いつかこうなろう」と、彼女を期待させるような言葉をいくつも掛けてきた主人公。
「撒き散らかす」という言葉から、口先だけで未成熟な青年の様子を思い浮かべることができます。
彼は年下の相手を前に、頼りがいのある男性を演じてきたのかもしれません。
それなのに、その約束をひとつも実らせることができず、自分の不甲斐なさを感じている。
後半の描写からは、あまりにもみじめすぎて隠れてしまいたい、という心の声が聞こえてくるようです。
桜井さんは、こういった男性の軟弱な部分をいつも巧みに歌詞として表現してくれます。
別れのあと
君がくれた
僕に足りなかったものを
集めて並べて 忘れぬよう願う
君の全て
僕に見せて欲しかったのに
コスモスの花言葉は咲かなかった
出典: 花言葉/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
二人で過ごした時間を通して、そしてこの別れを通して彼女はいろいろなことを気付かせてくれました。
それが「君がくれた」ものであり、君がここにいたという証しでもある。
彼女が去ってしまった今、彼はそれを並べて見つめています。
「忘れぬよう」というのは彼女に向けた言葉で、「自分のことを忘れないでほしい」と願っているのだと読み解きました。
強がった彼のセリフ
「木漏れ日が微笑みを
連れてきてくれるから」
そんなきれい事 慰めも
何を今更
出典: 花言葉/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
この部分の言葉は彼女が口にしたものでしょうか。
木漏れ日のように、日陰に差し込む小さな光によってきっと笑顔になれる。
別れにあたり、お互いが前向きになれるような言葉を掛けられたのだと読み解くことが出来ます。
「何を今更」は、最後に彼が口にしたセリフです。
「そんな良い言葉、二人が一緒に歩む未来に向けて言ってほしかったよ」というような感情が伝わってきますね。
「花言葉」の歌詞で伝えられている世界
本作には、「乙女のまごころ」は時に男性の稚拙さを際立たせる、というメッセージが隠されていると感じます。
前述の通り、「頼られる男性」「頼る女性」という立場にあった二人。
それでも、主人公の彼はその立場ほど自信もなく未熟だったのです。
その事を一番理解していたのは他でもない彼自身で、それを隠すように立派な振りをして彼女と接してきました。
自分に自信がなく、それゆえに彼女の前で見栄を張ってしまう。そんな彼の心の動きを感じ取れます。
それを、本人が「魔が差した」と言い表す出来事を通して露呈させてしまった夏の終わり。
彼女は、表面上はあくまでも「背伸び」をして、純粋な心で自分に語り掛けてくれます。
それでも、「そんな子供じみたひとだったんだ」と知り、初めて見せた彼女の「哀れみ」の表情。
彼女にそんな表情をさせてしまった自分自身のだらしなさ、後悔、などの感情が混ざり合って彼に降りかかります。
男女が抱くそれぞれの想い、そしてそれぞれが置かれている立場から垣間見える人間性など。
まるで文学作品を読んでいるかのような深みのある内容から、改めて「花言葉」の作品性の高さを感じました。
「花言葉」のコードをチェック!
ミディアムテンポのリズムと、コードチェンジを意識する
G D
コスモスの 花言葉に
G A7 D
揺れな が ら
Bm F#m7
身の程を知らないまま
GM7 D
可能性を漁り
Bm A
魔が差した 僕にさよなら
GM7 F#7sus4 F#7
夏の終 わ り
出典: 花言葉/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
本作のキーは「D」で、導入部分はサブドミナントコードの「G」から始まっています。
ミディアムテンポの曲調であるため、リズムキープを意識して安定感のある演奏を心がけたいところ。
ストレートなエイトビートによるギターストロークでも、十分に作品の魅力が伝わるはずです。
また部分的にアクセントをつけるように演奏できると、よりメロディのリズムが強調されるでしょう。
原曲では、冒頭でピアノの音が盛大に鳴り響いています。
ギターで演奏する際にも、同じように「G」のコードをはっきり演奏できると理想的です。
Bm F#m7
あの日見せた
G GonA D
僕の 知らなかった顔
Em7 A F#7 Bm
哀れみ と背伸び で
G A F#7
告げられた別 れ
Bm F#m7
僕の全て
G GonA D
君に 知って欲しかったのに
Bm F#m7 G A7 D
コスモスの咲く季節に君は 去った
出典: 花言葉/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
サビ部分は少しコードの移り変わりが速くなっています。
リズムが前のめりにならないように意識をしながら、落ち着いてコードチェンジを行ってください。
特に二行目の部分は、メロディとリズムがしっかりと噛み合うほどに心地良いと感じられる部分です。
弾き語りで表現する際には特にアクセントに意識を配りながら演奏していきましょう。
GM7 A
「木漏れ日が微笑みを
Bm E
連れてきてくれるから」
Em F#m G C
そんなきれい事 慰めも 何を今更
出典: 花言葉/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿