空に 降り積もる光
今 記憶だけ溶かして
君が 振り返る時は
ただ 羽を広げ「さよなら」

出典: Snow Men/作詞:星野源 作曲:星野源

前出の歌詞では「胸」に雪が積もっていましたが、ここでは「空」

雪が空に戻ることはあり得ないので、雪の形をなした想いが空に滞留してしまっている状況を歌っているのかもしれません。

届けたかった想いに諦めがつかず、雲の中から落ちないように必死で耐えているのでしょう。

しかしそのままではいられません。

忘れたい想い、忘れなくてはならない想いだけを溶かそうとします。

でもそこは分厚い雲の中。彼の想いには日差しが届かないかもしれません。

そこで彼は自分の意志で、忘れようと努力します。

時間が忘れさせてくれるのを待つよりも、ずっと辛いはずです。

溶けた記憶はきっと雲の中から雨となって、涙となって落下していくのでしょう。

そして残った雪は冬を待ち、彼女の目の前にはらはらと舞うのです。

さよならを告げてどこに行く?

朱い港に 淡い願いに
朱い水面に 淡い未来に
未来に

出典: Snow Men/作詞:星野源 作曲:星野源

白い鳥となって彼女の目の前を通り過ぎた彼は、どこに向かうのでしょうか。

そこは「朱」の色をまとった場所。

そんな色の港や水があったら気味が悪いわけですが、白い彼にとっては好都合です。

なぜなら、朱色の中では白が目立つから。

結局彼は、記憶を溶かしきれなかったのかもしれません。

彼女への想いを手放しきれないまま鳥になり、飛んでいたのです。

ですから、白いかもめは彼女の目にとまりやすいように朱色の港を目指します。

海水が朱色なら、なお一層白い体が目立つでしょう。

そしていつかまた彼女を愛せるように、想いが届くようにと密かに願っているのです。

誰もが惑わされる『Snow Men』

【Snow Men/星野源】歌詞を解説!さよならと告げるのは何故?切なく儚いオトナの愛に酔いしれようの画像

星野源がどういった意味を込めてこの歌詞を書いたのか、それは「星野源自身のみぞ知る」です。

彼らしい妖艶な比喩を込めて書いたのであれば、今回の解釈は大ハズレでしょう。

しかし星野源は、誰にでも分かる単純明快な歌詞を書くアーティストとは思えないのです。

どこかひねりがあり、熟考しなければ正解が出ないような歌詞

『Snow Men』もそのひとつなのではないかと考えています。

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