現実味のある恋愛ストーリー「Another Story」
Mr.Childrenの楽曲の魅力は、耳に残りやすいサビのフレーズ、桜井和寿の甘い歌声。
それとともに、時には謎掛けのように、時には直球ストレートに愛を語る歌詞にも、多くの魅力が詰まっています。
恋愛物語の続編「Another Story」
今回ご紹介する「Another Story」は、2007年3月発売のアルバム「HOME」に収録されています。
実はこの曲、前アルバム「I LOVE U」内6曲目の「靴ひも」の続編なのだとか。
ストーリー性のある歌詞だからこそ、こうした楽しい仕掛けを忍ばせることができるのでしょう。
「Another Story」の歌詞に迫る
「靴ひも」の続編とされる「Another Story」。
今回は前編の内容を考慮せず、「Another Story」の歌詞のみに着目します。
一体どんな恋愛が描かれているのでしょうか。訪れた結末は?
「Another Story」の歌詞を紐解きます!
今すぐに迎えに行く
「Another Story」は、恋の終わりに立つ「僕」の心情を歌った曲です。
彼の反省、後悔が妙に現実的で、思わず前のめりになって聴いてしまう方もいるでしょう。
あるいは耳を塞ぎたくなる方も……?
分かっていて無理をさせていた
最終のバスにはまだ間に合うかなぁ
遠くの街まで君を迎えに行く
出典: Another Story/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
最終のバスを気にする主人公の「僕」は、これからバスに乗って「君」に会いに行くようです。
会いに行く、とは言わずに「迎えに行く」と歌われていますね。
しかし最終バスを気にするということは、もう夜も遅い時間。彼は今から「遠くの街」まで行くことになります。
バスに乗った彼が彼女の住む街に到着しても、きっと折り返しのバスは動いていないでしょう。
迎えに行っても、帰ることができません。
これらを総合すると、彼が言う「迎えに行く」は「取り戻す」という意味なのだと考えられます。
いつも笑ってた 無理してたんだな
それも分かってた
出典: Another Story/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
彼女はどんなことがあっても笑顔を絶やしませんでした。
「笑顔」と言ってしまうとニュアンスが違うかもしれませんね。
満面の笑みではなく、何もかもを許容するような微笑みというイメージでしょうか。
しかし、彼女は心の底から嬉しいわけでも楽しいわけでもありませんでした。
彼はそのことに気づいていたと言います。彼女が無理して笑っている原因は、彼自身にあるのです。
自分のことばかりいつも主張して
君の言葉なら上の空で聞いて
出典: Another Story/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
まるで亭主関白のような彼の態度。自分が言いたいことは遠慮なくぶつけていたようです。
それでいて彼女が何か言っても、耳にも頭にも入ってこないぐらいに上の空だったのでしょう。
彼はこうした関係性に慣れすぎました。
主張するばかりの彼の態度にも、笑っていた彼女。
初めは「悪いな」と思ったはずですが、それでも笑っていてくれる彼女に完全に甘えていたと言えます。