アルバム「LIFE SAVER」で新たなステージに立ったReN
2017年6月28日にリリースされたReNの2ndアルバム「LIFE SAVER」。
このアルバムはReNが新たなステージに立ったことを知らしめる作品となりました。
前作「Lights」を知っていれば、その変化に驚いたという方も多いのではないでしょうか。
この作品を通してReNは初めて自分というアーティストを表現出来たと語っています。
こうした言葉から感じられるのはこれまでが手探りの状態だったこと、そして今確信めいたものを手にしつつあることです。
前作からの変化は、何も特別なことをしたわけではありません。
ReN自身も「狙ったわけではなく、音楽と真剣に向き合った結果」だと言います。
作品を重ねて進化していくのはアーティストのあるべき姿。
ReNに特別なところがあるとすれば、その進化が明らかに速いという点ではないでしょうか。
作品に影響を及ぼした濃密な1年間
ReNの進化の速さを物語るのは、楽曲だけではありません。
前作からの1年間で彼を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。
エド・シーランとの対談
よく取り上げられているのはスペースシャワーTVの特番でのエド・シーランとの対談。
エド・シーランはReNが音楽を始めるきっかけになったアーティストです。
音楽を始めて2年たらずでそんな憧れの存在との対談を実現してしまったことには驚きの一言。
この共演が「LIFE SAVER」で見せた変化に一役買ったことは言うまでもないでしょう。
ONE OK ROCKのツアーにゲスト出演
もう一つ話題に上がるのが、ONE OK ROCKのツアーにゲスト出演したという話。
キャパ1万5千人のステージに立ってパフォーマンスしたという事実は、そのキャリアからは想像出来るものではありません。
いくら才能があったとしても、それだけでここまでたどり着くことは不可能。
人並外れた努力があってこそ成り立つものではないでしょうか。
こういった例を目の当たりにすると、元々はレーサーだった彼のアスリート然としたメンタリティを感じさせられます。
音楽もレースも、第一線を志す心構えに変わりはないのですね。
表題曲「Life Saver」に迫る
こうして完成したアルバム「LIFE SAVER」から、今回は表題曲「Life Saver」を紹介。
まさしくアルバムを代表するこの曲には、ReNが今、音楽を通して伝えたいことが込められています。
タイトルが表すのは「聴く人の救いになりたい」という想い。
これはReN自身が音楽にいろんな力を貰っていたことに気付いたことから浮かんできたものだと言います。
どうして志そうと思ったのか、どうしてそれが好きなのか。
そんな音楽を続けていく上で一番大切なことに、彼は作品を通して気付けたのでしょう。
楽曲を考察
この曲は前述のエド・シーランとの対談の際にReNが受けたアドバイスを活かして制作された楽曲だと言います。
そのアドバイスは「行き詰ったらギターを持たずに作るのもいいよ」というもの。
この手法を取り入れたところも、ギターをメインに作曲が行われた前作と一線を画す部分です。
先にトラックを作り、そこからインスピレーションを得て作り上げていったというこの曲。
辿り着いたのは「新しい世界への扉が見付からずにもがいている人を救い出す」というテーマでした。
ケガでレーサーの道を断念し、音楽へと軌道修正した彼だからこそこのテーマに辿り着いたのではないでしょうか。
トラックとReNの歌声の印象
楽曲を彩るトラックは浮遊感を湛える2つのギターと、ゴツっとした質感が耳に心地良いビートで構成されます。
メインとなるこのトラックは1曲を通して繰り返され、ダンスミュージックのようなループ感を演出。
日本語と英語を織り交ぜたReNの歌は、それぞれ身体に染み付いた音楽と言語が芯から溢れ出すような印象です。
哀愁を帯びながらも力強く歌うその姿には、数々のことを経験してきた大人の男を感じさせられます。