速いテンポと和風テイストなメロディーがGOOD!!
『夢のまた夢』の特徴点!!
今回は、マルチクリエイター「まふまふ」さんの楽曲『夢のまた夢』を解説していきたいと思います。
『夢のまた夢』は、アルバム『明日色ワールドエンド』に収録されています。
『夢のまた夢』の特徴的なところは、速いテンポ・日本的なメロディーライン・ギターカッティング・MVにあると思います。
それと、忘れてはならないのが難解な歌詞です。

実写版MV
「まふまふ」さん本人がMVに登場!!
イントロ
イントロ前半部分は、ギターのアルペジオ(対象の音を構成している和音を、分散させて弾く技法)で始まります。
歯切れのよいギターの音色です。
ドラムの音も、小さく入っています。
0:16から、イントロ後半部分です。
後半部分は前半部分と打って変わって、ディストーション(エフェクターで音を歪ませる)がかかったギターのリフレインが流れます。
ギターのメロディーが、三味線や琴で弾いてもおかしくないほど日本的です。
イントロのMVを見ると0:02に「まふまふ」さんらしき人が映っています。
0:08では、「まふまふ」さんの上半身とギター、そしてゆらめく炎が映し出されます。
0:10では、日本家屋の長廊下が、ぼんやりと映し出されます。画面向かって右上部には、蜘蛛の巣が張っています。
0:15では、「和傘」と呼ばれる、日本古来から存在する傘が映し出されます。
そして見どころは次の0:16でしょう。
なんと「まふまふ」さん本人がはっきり映っています!!
フードを被り、稲荷神社の狐のお面も付けていますが、金髪で、端正な顔立ちをしています。
また、中性的な雰囲気があります。それが女性からの支持を集める要因の一つなのかもしれませんね!!
0:18の映像が、この曲の基本的なショットになります。
神社の境内に割った竹を100本以上置き、その中で「まふまふ」さんがパフォーマンスしています。
竹を取り囲むようにたいまつが置かれています。
Aメロ
甘いものほど溶ける それが恋だっけ?
口寂しいや 綿菓子をひとつ買っていこう
若苗(わかなえ)の袖 空に投げた恋文
あの下駄箱は 笑い方のくずかご
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
Aメロの歌詞です。
「若苗」とは、色の名前です。
稲の若い苗の色、黄緑色のことです。
「若苗の袖」がある服を着ているのは、主人公かそれとも別の人物か、まだわかりません。
しかし、若い人物であることは確かです。「綿菓子」や「下駄箱」などの言葉が使われているところを見ると、もしかしたら子どもかもしれません。
高速ギターカッティング
Aメロの醍醐味は、ギターのカッティングです。
Aメロ冒頭から、切れ味の鋭いギターカッティングが聴けます。
もうカッティングを越えて、ブラッシングとでもいいたいような、素晴らしいカッティングです!!
また「口寂しいや」のすぐあとで、ピッキングハーモニクスを入れています。
ピッキングハーモニクスとは、ギターのフレットに指の腹を添わせて、その音のオクターブ上の音を出す技法です。
MVを見てみると、イントロより分かりやすく「まふまふ」さんを確認することができます。
0:35~0:37を見てみると、和傘が並ぶ室内で、「まふまふ」さんのアップが映し出されます。
和服を着ています。
「まふまふ」さんにピントを合わせ、背後の和傘をぼかして映しています。
このあたりがとても幻想的ですね!!
Bメロ
空五倍子色(うつぶしいろ)
長髪が揺れる薄明 手招いて
口数も減る境内
失くしたものばかり数えている
世迷(よま)い 妄想に
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
Bメロの歌詞です。
Aメロより難解になっていますね。
空五倍子色(うつぶしいろ)とは、虫こぶ(別名を五倍子/「ふし」という。中が空洞なことから空五倍子とも)で染めたやや褐色がかった淡い灰色のこと。
平安時代から喪服に使われていた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/空五倍子色
空五倍子色とは上記に引用したように「淡い灰色」ですが、平安時代には喪服の色として使用されていたんですね!!
「世迷い」は、一般的に「世迷い言」あるいは「世迷いごと」のように使用します。
「奇妙なことをいう・ふざけたことをいう」という意味です。
MVを見ると、境内のたいまつとともに、色とりどりの照明が使用されています。
また、この曲の主人公らしき少女も、ひんぱんに出てきます。
「長髪が揺れる」のは、彼女の髪だと思います。
恐らく彼女は小さいときに親を亡くし、育ったのだと思います。
それがトラウマとなり、夢でうなされるようになったのでしょう。
さきほど「空五倍子色」は喪服に使用されていた色だと解説しましたが、この色は、彼女が親の葬儀の際に見た色だったのではないでしょうか?