サビ!!
夢のまた夢か見果てぬ夢
みなしごとパパに疎まれた子
闇夜ほど星が綺麗なこと
ねえ 知ってる?
逆夢(さかゆめ)のままに踊れ 踊れ
ボクらがボクらでいられるまで
形振り構わず手を叩け
いつの日かこの夢が覚めるまでは
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
サビの歌詞です。
「夢のまた夢」いう言葉は、この曲のタイトルと同じですが、この言葉の意味は文字どおり「夢の夢」という意味の他にもう一つ意味があります。
それは「はかない」という意味です。
「みなしごとパパに疎まれた子」の箇所は、音読した言葉を表記するなら、「"みなしご"とパパに疎まれた子」というふうになります。
「みなしご」とは、「親を失った子ども」のことです。
「逆夢」とは、「見た夢と反対のことが起こっていること」です。
そのあとに「踊れ」とありますので、夢ではそれと正反対のことが起こっていたと思います。
つまり「主人公らしき少女」=「みなしご」なんですね。
彼女は夢を見てはうなされるような、つらい人生を歩んできたのでしょう。
そのかわりに「現実」では、「形振り構わず手を叩」くのだと思います。
そして「早くこの夢が覚めて欲しい」と願っています。
ちなみに「ボク」という言葉が使われていますが、MVの中で「ボク」と言えるような男性は、「まふまふ」さんとバックのメンバー以外に登場していません。
やはり筆者は「ボク」=「少女」なのだと思います。
2番Aメロ
金魚すくいで 救えるような命は
誰かすくってくれだなんて思っていた
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
2番Aメロの歌詞です。
主人公が自身の命を「金魚すくいで救えるような命」というふうに、わざと卑下して表現しています。
これは、主人公の切ない心情を表しています。
MVの方を見ると、大正時代によく見られる、和洋折衷の室内が出てきます(1:49)。
まるで、鈴木清順監督の映画『ツィゴイネルワイゼン』に出てくるような部屋です!!
Cメロ
そうだ
誰かの好きな誰かになって
言われるままに大人になって
それでもわからないまま
どうして 涙が止まらないんだろう
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
2番Aメロの次にはBメロがくるのかと思いきや、Cメロです。
「言われるままに大人になって」のところで、この歌詞は主人公が回想しているということが分かります。
自発的に大人になったのでなく、何となく、他力本願で大人になってしまったことを悔やむ気持ちが表れています。
2番Bメロ
わすれたもの 林檎飴
水に降り立つ 月の影
鏡越しに散る花火
触れぬものばかり探している
世迷い 妄想に
もういいよ もういいよ
浮かんでは 照らしては
吸い込まれる
惣闇色(つつやみいろ)の夏空
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
2番Bメロは、1番Bメロと若干違います。
「もういいよ」というところで、次のサビに行く前の、静かな余韻が醸し出されます。
2番Aメロと同じように、主人公の回想は続きます。
どんなに考えても、どんなに思っても、それが「惣闇色の夏空」に吸い込まれてしまい、形になりません。
主人公の想いとは裏腹に、MVでは花火が上がります。
終わらない夢
2番サビ~間奏
夢のまた夢か見果てぬ夢
こんなゴミのような世界でも
ボクは好きでたまらない
踊れ 踊れ さあ踊れ 踊れ
何もかもすべて忘れさせて
形振り構わず手を叩け
いつの日かこの夢が覚めるまでは
夢の向こうで夢を探している
出典: 夢のまた夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
現実の世界が嫌で、夢の果てに「夢」を探す主人公の苦悶が良く表されています。
「ゴミのような世界」と言ったそのすぐ後に「ボクは好きでたまらない」と言っています。
逆説めいた歌詞ですが、「ゴミのような世界」をあえて「好き」だと言ってしまうくらい、「この世界」に思い入れがあるのでしょう。
皮肉たっぷりの言葉ですね。
「忘れさせて」のボーカルのキーが、一般の男性には出ないような高音です。
MVを見ると、曲がフェードアウトしていくのとともに、「まふまふ」さんが神社から去ろうとしています。
このあたりの演出もシンプルですが、見る人にインパクトと余韻を残すのではないでしょうか??