グラウンドの前を通るとき うるさい蝉の合唱に混じって
君の声が聞こえて フェンス越しに探した
近い 近い 近い はずだったのに 遠く 遠く 遠くのほうで
日に焼けた顔で笑う君の 横顔見ちゃって また寂しくなって
だから言わなきゃって やっぱ言わなきゃって
出典: 線香花火/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
よく声を出す、グラウンドでやっている部活というと、野球部でしょうか。
グラウンドの前を通りかかった時、「蝉の合唱」がうるさいはずなのに、大好きな「君」の声にはすぐに気がついて、「フェンス越しに」君の姿を探すのでした。
そして、夏休み前はあんなに「近いはずだった」のに、今は「遠く」から見つめることしかできないことを実感し、同時に、夏休み前は何の理由もなくても会えていたのに、今は理由を作って約束をしないと会えないということを改めて感じたのでした。
「君」と会うことに途轍もなく高いハードルを感じてしまう「あたし」の気持ち、共感しますね。
それでも会いたいのは、「日に焼けた笑う君の横顔」を見てやっぱり好きだと思うから。
そして、「やっぱ言わなきゃ」と思うのでした。
言わなければならない内容は大体わかると思いますが、次の歌詞で語られています。
「2文字」でも伝えられることなのに言えない!
長い 長い 長い
君に会えない日々が長いの
何が無くても会いたいときに
会える距離になりたい
長い 長い 長い 言葉じゃなくて
きっとシンプルに
多分2文字やそれくらいでも
言えることがあるの
出典: 線香花火/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
「何が無くても会いたいときに会える距離」とは「君」と付き合いたいということですね。
前の歌詞で「言わなきゃ」と言っていたのは、お察しの通り告白しなきゃということでした。
「2文字」でも好きと伝えられるのに、君を前にすると1文字も出てこない自分に歯がゆい思いを感じている「あたし」の姿が浮かびます。
みんなで見る大輪の花火より、二人だけでする線香花火
長い 長い 長い 君に会えない日々が長いの
何が無くても 「おはよう」「おやすみ」って言える当たり前が欲しいよ
長い 長い 長い 夏の終わりがやってくる前に
君とあたしの 二人だけで 例えば線香花火とかしたいなあ
同じ気持ちでいてくれたのなら 嬉しいなあ
会いたいなあ
出典: 線香花火/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
恋をすると、どんどん欲深くなってしまうものですね。
学校があってただ顔を合わせられる日々が愛しかったはずなのに、そんな日々は夏休みのような空白が挟まると「ぎこちなく」なってしまうことが見えた「あたし」。
そして、突き詰めていくと、特別な理由がなくても彼女だからという理由で顔を合わせられる「当たり前」がほしいということに気づいてしまうのでした。
夏休みが終わる前に「二人だけで例えば線香花火とかしたい」という思いこそ自分の本音です。
みんなで見に行く花火大会でも、君に会えるという理由でとても楽しみにしていた「あたし」でしたが、雨で中止になったことをきっかけに、自分が本当は「君」と会うだけでは足りなくなっていたことがわかったのですね。
曲名が「花火」ではなく「線香花火」の理由
この曲の中では「花火」はみんなで見るもの、「線香花火」は二人でするものです。
最初は「花火」が中止になり君に会えないことで落ち込んでいた主人公が至った結論は、友達みんなで花火を見に行くんじゃなくて、二人で「線香花火」をしたいということ。
つまり、「線香花火」という曲のタイトルには友達の一人じゃなくて、あなたの恋人になりたいという恋心が込められていたということです。
おわりに
いかがでしたか?「線香花火」は、女の子目線で上手く行くことばかりじゃない恋愛のもどかしさがよく描写されている歌詞でした。
また、花火にまつわるエピソードを使って全体がきちんと構成され、夏の眩しい日々がキラキラと表現されているところも、内容が入って来やすいですし、ドラマみたいで聴いていて楽しいですね。
この曲に出てくる「あたし」は結局好きな人と付き合うことができたかわかりませんが、自分の正直な気持ちに気づいた彼女は、きっと何か行動に移したのではないかと思います。
歌詞の内容が夏休みの高校生のエピソードということで、年齢的に共感できないと思う人もいるかもしれませんが、もう過ぎてしまった人は懐かしく、今高校生という人は自分のことを思い浮かべながら、まだこれからという人は自分の高校生活を思い浮かべながら聴いてみてはいかがでしょうか。
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