「傷だらけのローラ」

西城秀樹を代表する名曲

【傷だらけのローラ/西城秀樹】自身初の○○作品?!「紅白歌合戦」初出場作品を徹底紹介!歌詞ありの画像

「傷だらけのローラ」は、数多くある西城秀樹のヒット曲の中でも特によく知られているのではないでしょうか。

歌謡番組などで熱唱する姿を見たことがある、という方も少なくはないでしょう。

この名曲は、1974年、今から44年前にリリースされました。

この年はウォーターゲート事件やハーグ事件が起こり、巨人の長嶋英雄が現役引退した年でもあります。

そういう時代の中、現在も時を超えて愛されているこの名曲は生まれました。

トップアイドルの地位を確実なものに

この曲のリリースの前年、西城秀樹は自身初のオリコン週間シングルチャートTOP10入りとなる「情熱の」をリリース。

5枚目のシングルとなるこの曲の大ヒットによって、西城秀樹の快進撃は始まりました。

同時期にデビューし、西城秀樹とともにもてはやされた郷ひろみ、野口五郎の「新御三家」の3人の中では一番遅いチャートベスト10入りでしたか、出遅れを取り戻すが如くの勢いの活躍が始まります。

続いてリリースした6枚目のシングル「ちぎれた愛」、そしてさらに7枚目のシングル「愛の十字架」が2曲続けてオリコン週間シングルチャート1位を飾ります。

有無を言わせない、堂々たるトップアイドルの地位を確固たるものにしました。

他の2人と一線を画す激しい歌唱法は”絶唱型”と名付けられ、その男らしい外見と相まって女性ファンに熱狂的に支持されたそうですよ。

音楽的ルーツ

その歌唱法のルーツは洋楽にあった?!

 その歌唱法も西城秀樹の音楽のルーツを聞けば納得。

まず最初にファンとなったアーティストはなんとジェフ・ベック。この当時小学3年生であったということ。

渋すぎる小学生だと思いませんか?当時のジェフ・ベックはヤードバーズを脱退し、ジェフ・ベックグループを結成した頃だったでしょう。

ジェフ・ベックグループにはまだ当時は無名でしたが、今となっては大物アーティストとして世界的に有名なロッド・スチュワートやロニー・ウッド、コージー・パウエルが参加していました。

そのことを考えると、幼い頃からジェフベックの音楽性に共感し、さらに豊かな才能を秘めたアーティスト達を見抜いていたのでしょうか。

末恐ろしい小学3年生ですね。

このほかにもベンチャーズやビートルズ等様々な海外アーティストから影響を受けていると語っています。

その中でも、歌唱法などからより最も強い影響を受けているのはレッド・ツェッペリンやジャニス・ジョプリン、ロッド・スチュワートではないかと思われます。

実際、レッド・ツェッペリンの初来日となる1971年の公演も鑑賞したそうです。

この時西城秀樹は16歳。多感な時期に見た世界最高峰のロックバンドの演奏は彼に大きな影響を与えたことは想像に難くありません。

しかもこの頃のレッド・ツェッペリンのボーカル、ロバート・プラントはまだ喉を悪くしておらず、絶好調の時期でした。

そしてドラムを演奏する西城秀樹にとって、世界最高のドラマーとの呼び声も高いジョン・ボーナムのプレイはさぞかし衝撃的だったことでしょう。

NHK紅白歌合戦にこの曲で初出場

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「傷だらけのローラ」は、オリコン週間シングルチャート1位こそ逃し2位となりましたが、2年連続となる日本レコード大賞 歌唱賞を受賞。

その高い歌唱力は、ポップス歌手では初という快挙を成し遂げました。

そして念願のNHK紅白歌合戦に初出場を果たします。チャート1位曲が2作あった前年に出場してもよさそうなものですが、不思議ですね。

この年から連続して11年出場、すっかりNHK紅白歌合戦の常連として定着しました。

自身初の海外進出作品!

さらにこの曲は、西城秀樹初となる海外進出作品でもあります。

制作されたのは、フランス語版「LOLA」。なぜ英語版じゃないのかちょっと不思議ですね……。

最もリリースされたのはフランス、スイス、ベルギーのフランス語圏の3国と、英語とフランス語の両方が公用語とされているカナダでした。

カナダではチャート2位にランクインするなど、ヒットしたようです。海外でのリリース後、日本でも販売されました。

この「LOLA」は1975年のリリース、日本でのデビューから3年後です。西城秀樹はかなり早い段階から海外進出を考えていたのかもしれませんね。

日本での人気、地位が揺るぎないものになったらすぐに行動に移そうと決めていたのではないでしょうか。

「傷だらけのローラ」の歌詞の世界

ここからは、「傷だらけのローラ」の歌詞を見ていきましょう。

ローラ 君は 何故に
ローラ 心を とじて
ローラ 僕の前で そんなにふるえる
今 君を救うのは めの前の僕だけさ
生命も 心も この愛 捧げる

オー ローラ(ローラ)君を 誰が
ローラ(ローラ)そんなにしたの
ローラ(ローラ)悪い夢は 忘れてしまおう
この腕に おすがりよ 今 僕は狂おしく
祈りも 誓いも この愛も捧げる ローラ

祈りも 誓いも この愛も捧げる
ローラ ローラ 祈りも 誓いも
この愛も捧げる ローラ

出典: 傷だらけのローラ/作詞:さいとう大三 作曲:馬飼野康二

こんなふうに優しく語りかけてくれる人がいたら、すがってしまいそうになってしまうのは女性として当然ではないでしょうか。

傷ついた心を受け止めてくれる大きな人。

そして激しく愛してくれる人。

一緒にいればきっと、辛いことも忘れさせてくれるのでしょう。

体格も大きく、男らしい西城秀樹がこんな歌詞を絶唱したなら、女性ファンは虜になってしまうのも無理はないですね。