デビュー曲へのアンサーソングということで、歌い出しはやはりデビューからの10年間を振り返っているのでしょう。

「無我夢中で走ってきた」10年間で「重ねた本気と汗」が、届いたのかどうか、少し不安に感じているようです。

「君」とは即ちKAT-TUNを見守ってきたハイフン(KAT-TUNのファンをこう呼びます)や私たちを指すのでしょう。私たちは彼らが積み重ねてきたそれらを、受け取れているでしょうか。

そして、見逃してはいけないワードはやはり「ギリギリ」です。

「ギリギリでいつも生きて」いこうと「ブチ破って」「リアルを手に入れ」ようとしてきた彼らが過ごしてきた「ギリギリの夜」は「翼が切れてしまいそうな」ものでした。

「折れる」のではなく「切れる」のです。

「折れる」と「切れる」の違いはどこかと言えば、「折れる」だけなら、まだ折れた先は繋がっているかもしれませんが、「切れ」てしまったら、そこはもう繋がってはいません。

翼という大切なものが離れてしまうような夜は、おそらく翼が折れるよりももっとつらいものだったでしょう。

そんなときでも「君」の声が聞こえたのだと、だからこそ「ぼくらなら跳べるぜ」と思えたのだと歌っています。

「君のユメ ぼくのユメ」2chorus

もしも神様がいて過去を変えられるとして
"なにも変えませんよ"って言える日々にしたいんだ

このナミダ・ナゲキ→のみ込んで
デカイ×セカイへ

いつだって君を一人ぼっちにはさせないと誓う
"行こう! 高くもっと跳べるぜ"
君となら

出典: 君のユメ ぼくのユメ/作詞:スガシカオ 作曲:スガシカオ

「もしも」という仮定。神様という形而上のものを呼び出して、現実には不可能なことを可能だと仮にたとえています。その上で語ることは大抵、事実か強い希望です。

「なにも変えませんよ」とは、過去を悔やむことはないということ。そう言える日々に「したい」という「希望」がここでは述べられています

それは、まだそうではないということであり、これからたどり行く未来への心細さか窺えます。

このナミダ・ナゲキ→」と「デカイ×セカイ」も「Real Face」に登場したキーワードです。「Real Face」では「このナミダ・ナゲキ→」は「未来へのステップ」でした。

それをいまは「のみ込んで」います。

「デカイ×セカイの先へ」行こうとしていたのが「デカイ×セカイへ」行こうとするようになりました。

「ナミダ・ナゲキ」はいずれもつらい、苦しい状況を示すものです。

それを「ステップ」、踏み台にして「デカイ×セカイの先」という茫洋とした、具体的ではないところを彼らは目指していました。

それがつらさ、苦しみを「のみ込んで」、「デカイ×セカイ」そのものを目指すようになったのです。

つまり、目標が具体的――現実的になり、つらさや苦しみを自分の内へと受け容れる――向き合うようになったのです。

若さと勢いに任せてただ突っ走っていた彼らは、目の前のものをやり過ごすのではなく向き合うようになりました。大きな成長ではないでしょうか。

「君のユメ ぼくのユメ」refrain

君のユメぼくのユメ一緒ならうれしいね
喜びも痛みも今を彩るレシピになれ

いつだってぼくの行く未来に君がいてくれるなら
"行こう! 一緒なら跳べるぜ"
どこまでも

出典: 君のユメ ぼくのユメ/作詞:スガシカオ 作曲:スガシカオ

「ナミダ・ナゲキ」「セカイ」に続いて出てきた「ユメ」。「Real Face」には「夢」というかたちで出てきました。

「Real Face」の「夢」は「語るフリしてればなんか大人になれる気がして」いたものです。

「君のユメ ぼくのユメ」の「ユメ」は「一緒ならうれしいね」と「君」と話せるものです。「語るフリ」ではなく、実際に「語る」ことができるようになったのです。

語り合って互いの「ユメ」を知って、それが「一緒ならうれしいね」という訳です。

先にも解釈した通り、「君」とはハイフンを言うものでもあります。「KAT-TUN」というグループ名にも明らかなように、ハイフンはKAT-TUNの一部です。

ハイフンがいてはじめてKAT-TUNは成立するのだ、とKAT-TUNの面々は考えているようです。

だからこそ「ユメ」が、望むものが「一緒ならうれしい」のだし、「君がいてくれるなら」、「一緒なら跳べるぜ」と言うのです。

1コーラスめで「ぼくらなら」、2コーラスめで「君を一人ぼっちにはさせないと誓う」と言っているのも同じ心情からだと言えます。

「Real Face」には「君」という言葉は1回しか出てこず、ほぼ自分語りの内容で、しかも「君」とは「ウソをついた」相手です。

対して「君のユメ ぼくのユメ」では常に近くに「君」を意識していて「君」に語りかけています。「ぼくら」、「一緒」と表されるように、常に近くにいて一体となっている様子です。

自分のビジョンを語るのみにとどまらず、「君」=ハイフンの存在を常に考え、ともに進んでいきたいという望み=「ユメ」をここでは語っています。

10年前は「俺流Start Dashで行くんだ」と言っていた彼らはいま、「ぼく」と「君」の「ユメ」や「未来」をゆっくり語るようになりました。

落ち着きと穏やかさを持った大人への成長がここに明らかになっています。遠い先のことは分かりませんが、少し未来までは「君」とともに自らの足で跳ぼうと、KAT-TUNは再びスタートします。

2018年、再始動!

【君のユメ ぼくのユメ/KAT-TUN】○○のアンサーソング?!Mステで披露も!!歌詞をチェック♪の画像

2016年に充電期間に入ったKAT-TUNが、今年2018年、充電を終えて再始動します。

3人体制初のシングルは「Ask Yourself」。KAT-TUNとしては27作目のシングルです。4月18日に3形態でリリースされます。

「Ask Yourself」初回限定盤

初回限定盤はCDとDVD、52ページもの分厚い歌詞フォトブックレットが同梱されます。特殊パッケージでのリリース。DVDには「Ask Yourself」のビデオクリップとメイキングが収録されます。

CDの収録内容は次の通りです。

1.Ask yourself
2.Wonderful World(亀梨和也)
3.俺メロディ(上田竜也)
4.The way(中丸雄一)

出典: https://www.j-storm.co.jp/kat-tun/discography/ask-yourself

「Ask Yourself」通常盤/初回プレス

通常盤の初回プレス分はCDのみ。初回限定盤と同じ4曲が収録されます。

「Ask Yourself」通常盤

通常盤もCDのみのリリースですが、収録内容は初回限定盤、通常盤初回プレス分とは異なります。

通常盤の収録内容は次の通りです。

1.Ask yourself
2.Sweet Birthday
3.タイトル未定A
4.Real Face#2
5.Ask yourself(オリジナルカラオケ)
6.タイトル未定A(オリジナルカラオケ)

出典: https://www.j-storm.co.jp/kat-tun/discography/ask-yourself