back number「サイレン」
アルバム「シャンデリア」収録
「サイレン」は、back numberの5枚目のアルバム「シャンデリア」に収録されています。
大ヒットを記録した「クリスマスソング」や、「ヒロイン」、「SISTER」などのシングルが収録されたこのアルバムは、back number初となるオリコン週間チャート1位を獲得しました。
また、ランキングへの登場は59回と、ロングヒットにもなっています。累計売上枚数はback numberのアルバムの中で2位となっています。
そんなこのアルバムの中で「サイレン」はMVも製作され、本作のリード曲のひとつとなっています。
アップテンポな曲調の中で、back numberの得意な失恋の物語が普段とは違う雰囲気で描かれます。
「サイレン」のMVに注目
「サイレン」のMVはライトによる演出が印象的な、クールな雰囲気の映像です。
綺麗な女性を主演に据えて叙情的な光景が描かれることの多いback numberのMVの中で、このMVはロックバンドらしいかっこよさを追及した異色な内容となっています。
メンバーの表情も、繊細さが際立つ普段のMVとは違うものになっています。
アップテンポで攻撃的なサウンドも相まって、back numberのロックな一面が前面に押し出されている印象です。
「サイレン」の歌詞を紐解く
これ別れ話だって
未来が見え無いなんて
何普通のこと言ってんだってもう
一緒に居すぎたねって
これ別れ話だって
出典: サイレン/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
主人公は恋人から「未来が見え無い」という言葉とともに別れ話を切り出されたのでしょう。
最初は「何当たり前のこと言ってるんだ」とあきれていたところ、途中でこの会話が別れ話だと気づいて戸惑っていきます。
君は行ってしまう
鳴り止まない胸のサイレン
もう君は僕のものでは無くて
積み上げた物も全部置き去りで
行ってしまうんだね
出典: サイレン/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
胸の中に鳴り響くサイレンは「君」を失ってしまうという自分への警報でしょうか。それとも、「君」を失う悲しみの訪れを告げているのでしょうか。
恋人として一緒に過ごす中で、きっとたくさんの思い出や愛情が積み上げられていたのでしょう。
しかし、「君」が行ってしまえばそれらも意味を成さなくなってしまいます。
二人で積み上げた記憶を、「もう要らない」と言わんばかりに置き去りにして離れていってしまう「君」。
一人で今までの思い出を抱えて残される主人公の戸惑いや悲しみが表れています。
気持ちに差が開いて
手の内を明かし合って
知らない事が無くなって行くほど
僕は心地良くなって
君はそっと乾いて
出典: サイレン/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
知らないことが無くなるほどお互いのことを明かし合った二人は、きっと長い付き合いだったのでしょう。
そうやって相手の全てを知っていくことに、主人公は満足感を覚えるタイプだったようです。
お互いを深く知ることで、より愛情を深め、心地良い関係になれると考えていたのでしょう。
しかしその一方で、「君」はそうやってお互いを知り尽くすほどに気持ちが乾いていきました。
相手のことを全て知ってしまった。そんな完熟した関係の先に新しい発展はないと考えたのでしょうか。
「君」との温度差に気づかず一人で心地良さを感じていた主人公の姿が虚しく映ります。