正体不明のバンドと言われていたが…

パスピエメンバーの顔出しをあまりしていなかったこともあり「正体不明のバンド」と取り上げられることがありました。

その独特なサウンドもあり、一見キャラクター作りにも思えますね。

しかしこれは意図していたものではないとのこと。

それを裏付けるかのごとく、最近はメンバーも素顔を見せています。

ヴォーカル、大胡田は長らく「自分にとっての表現は絵を描くことだ」と思っていたとのこと。

成田もその才能を認めており、顔出しをしていなかったのは大胡田のアートワークを前面に押し出した結果だといいます。

今は音楽という形に辿り着いた大胡田ですが、結果として絵もひっくるめての表現が出来ているのですね。

アルバムから奇妙なタイトルの1曲「△」を紹介

そんなアルバムの中から紹介する「△」という楽曲。読み方は「三角形」です。

なんとも奇妙なタイトルのこの曲は近未来的でポップな1曲。

この曲からパスピエの魅力に迫ってみましょう!

作りこまれたバンドサウンド

イントロやサビで印象的なフレーズを奏でるシンセに、ニューウェーブを彷彿とさせるベース

くぐもったサウンドによって一歩引いた位置で蠢くギターや、ハリのある質感のドラムなど。

現在は脱退していますが、このころのドラマーはやおたくやです。

東京事変などで知られるドラマー、刃田綴色の弟子だという彼のサウンドはやはり師匠に通ずるものがありますね。

バンドのアレンジはメンバーそれぞれにかなり複雑なことをやっている印象。

それでも曲として成立していることが相当な作りこみを感じさせます。

これはクラシックに通ずる要素ですね。

ミステリアスなキャラクターが際立つ

キーボードの成田はヴォーカル、大胡田の歌声を「良くも悪くも線が細い」と語っています。

これは彼女の歌を表すのに実に妥当な表現ですね。

大胡田の甲高い歌声を表すのに歌唱力という言葉は少し違う印象。

しかし独特なメロディも相まった個性的なキャラクターは多くの人の反響を呼んでいます。

これは彼女だからこそできる表現なのでしょうね。

リズミカルなAメロから、流れるようなBメロ。

ポップで慌ただしい印象のサビなど、あらゆるところに斬新さを感じさせます。

思春期の不安定な感情を表した歌詞に迫る!

ここからは「△」の歌詞を解釈していきましょう。

この曲は一言で言うと「思春期の不安定な感情」を表したもの。

その中で△とは一体何を表しているのでしょうか。

不思議なタイトルの理由に迫ります!

ルールなんてくだらない

底辺×高さ÷2はいくつ?
○×□あとひとつ
完璧な朝食だわ独裁者 主菜副菜……めんどくさい

出典: △/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ

数学には公式がありますし、食事にも主菜や副菜といった順序のルールがあります。

これらはそれぞれ正解を導き出すためのもの。

ここでは例として挙げられているだけで、要は「ルールなんてくだらない」ということが言いたいのでしょう。

大人に操られている

あっちもこっちも嘘だらけ
騙されてるの わかってるけど
あることないこと並べて見てたい しばらく遊べるね

出典: △/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ