解散から20年以上!今はなき伝説的ロックバンド
言わずとも知れた、伝説的ジャパニーズロックバンドであるTHE BLUE HEARTSは、残念なことに既に解散したバンドです。
X JAPANのhideを始め、世の中が失ってしまってからその重要さに気づくアーティストは、比較的多いように感じられます。
しかしこのTHE BLUE HEARTSにおいては、現在ももちろん冷めやらぬ人気はありますが、バンド全盛期である時にも危険なほどの人気を誇っていました。
解散してからもなお、その名を惜しまれ、メンバー本人が出演せずとも映画が制作され、世代を超え、若い血を持つ新たなファンが、続々と増える様は異常ともいえます。
そんな伝説的なモンスターロックバンドTHE BLUE HEARTSは今年でメジャーデビュー20年目を迎え、既に解散してはいるものの、改めてその良さが見直されています。
名曲揃いなバンドであるだけになかなか難しいところですが、今回は勇気を与えてくれる楽曲「ロクデナシ」の解説をしていきます。
パンチのある歌詞が光る!「ロクデナシ」が収録されているCD
今回取り上げていく楽曲「ロクデナシ」は実はシングルではありません。
有名になる楽曲や話題に取り上げられる楽曲は基本的にシングルである場合が多く、アルバム収録楽曲であっても後にシングルカットされる事が多いため、珍しいかもしれません。
この楽曲は1987年にリリースされた、THE BLUE HEARTS史上2枚目の「YOUNG AND PRETTY」というアルバムの、4曲目に収録されています。
また、同アルバム内には「ロクデナシⅡ(ギター弾きに部屋は無し)」という楽曲も収録されておりますが、この楽曲は「ロクデナシ」の続編という訳ではないようです。
どんな楽曲??「ロクデナシ」
この記事をお読みいただいている方の中には、「最近THE BLUE HEARTSを知った」という方や、「ロクデナシは知らない」という方がいるかもしれません。
この名曲を知っている方も、知らない方も、是非一度ここで聴いてみてください。
テンポの速い軽快な8ビート、ルート弾きの安定感のあるベースとTHE BLUE HEARTSらしいパワーコードのレスポールギターの音が心地良く曲全体に響き渡りますね。
比較的、甲本ヒロトが理性的に歌いあげている楽曲です。剥き出しの感情を、生々しく楽曲にぶつける事が特徴の彼にしては、非常に珍しい楽曲です。
「ロクデナシ」の歌詞をご紹介
しっかりと聴き込んでいる方、既に楽曲をよく知っている方は、この楽曲のパンチのある歌詞に驚いているかもしれませんね。
改めて、ここから「ロクデナシ」の歌詞に注目していきます。かなりパンチは効いていますが、その分心に残る歌詞である事間違いなしです。
1番Aメロの歌詞
役立たずと罵られて 最低と人に言われて
要領良く演技出来ず 愛想笑いも作れない
死んじまえと罵られて このバカと人に言われて
うまい具合に世の中と やって行くことも出来ない
出典: ロクデナシ/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
社会人や、運動部の方は特に胸が痛みそうな言葉が並びます。私も非常に耳が痛いです。
一度は言われた事がありそうな、ひどい言葉が羅列されていますが、これがかえって共感を呼びます。
要領が良く、愛想笑いの上手な人は、それだけでうまく昇進したり、世の中的な流れを呼び込むことが出来たりします。真逆の人は概ね煙たがられてしまいます。
このAメロには、酷い言葉の羅列、社会にうまく迎合出来ない自分への悔しさやもどかしさといった負の感情が盛り込まれています。
ギターのカッティングを多用した音が、突き刺さる刃のような印象を生み出しています。
サビ
全てのボクのようなロクデナシのために この星はグルグルと回る
劣等生でじゅうぶんだ はみだし者で構わない
出典: ロクデナシ/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
多数決主義であり、上司に従うことが絶対とされてきた日本においては、「世間的に取り入ることが上手い人」が「優等生」といえるでしょう。
それに対し、決して嘘がない、真っ直ぐな人はやがてなぜか倦厭され、社会的には「劣等生」と呼ばれるカテゴリーに分類されてしまいます。
しかし正直であること、誠実であることの何がいけないというのでしょう。第三者の目線から見た時、応援すべきであるのはどちらの立場でしょう。
「劣等生」であること、「はみだし者」であることは決して恥じるべきではなく、むしろ誇る強さが必要なのでしょう。
このサビ部分では、Aメロとはうってかわり流れるようなギターになります。奏法の違いに、心の開放感が表現されているように感じます。