Acid Black Cherry
Acid Black Cherryは1999年にメジャーデビューしたヴィジュアル系バンドJanne Da Arcのヴォーカリスト、yasuのソロプロジェクトとして2007年に始動。
Janne Da Arcは2002年には武道館ライブを行ったり、2004年以降にリリースしたシングルは全てオリコン週間シングルチャート3位以上を獲得するなど、精力的に活動していました。
時代の流れか、ヴィジュアル系といわれるバンドが勢いを失っていく中、少しずつその姿を変えながらもその勢いは衰えてはいませんでした。
衝撃のファンクラブ名
独特の世界観や歌詞の歌詞内容の幅広さ、そしてリーダーでもあるyasuの耽美な美しさは女性ファンを虜にしました。公式ファンクラブの名称はなんと”~マドモアゼルなあなた達~”。
突き抜けていますね。この名称からも如何に女性ファンが多かったかわかっていただけるのではないでしょうか。
メジャーデビューからしばらくはばっちりヴィジュアルメイクでしたが、そのうちだんだんメイクは薄くなり、男性ファンも増えていったようです。
後期には、ファンの半分近くが男性だという状態であったようですよ。それでも、ファンクラブ名は”~マドモアゼルなあなた達~”のままだったのでしょうか……。
男性ファンは、それでも何も思わなかったのでしょうか?今となっては謎が残るばかりとなってしまいましたね。
Janne Da Arcの結成10周年にあたる2007年にはそれぞれ自身のスキルを高めるためにソロ活動を行うことになり、そのままJanne Da Arcは活動休止、その状態は2018年現在も続いています。
そしてyasuはAcid Black Cherryを始動させたわけですが、公式ファンクラブはあの”~マドモアゼルなあなた達~”に含まれているとのこと。
ソロプロジェクトの立ち上げをきっかけにファンクラブも新しく立ち上げて男性でも抵抗なく入れるようにしようとか考えたことはなかったのでしょうか。
あまりそういったことにこだわらないタイプなのかもしれませんね。
「liar or LIAR ?」
そのストーリーが映画化もされたコンセプトアルバム『L-エル-』に収録
今回ご紹介する「liar or LIAR ?」は、活動休止前最後にリリースされた4thアルバム『 L-エル-』の収録曲です。
このアルバム今までにない壮大なスケールのコンセプトアルバムとして大きな話題になり、yasuが書き下ろしたストーリーブックも発売され、映画化されました。
物語の主人公、エルの悲惨な生涯と離れていてもエルだけを大切に想って生きた少年、オヴェスの生涯を通じて愛の本質を問う作品となっています。
映画ではエルを広瀬アリスが、オヴェスを古川雄輝が演じました。
歌詞に注目
イヤな予感が……
またイヤな予感がしたんだ
You are liar. I'm tired.
やるならうまく嘘ついて
わかってしまう方がいけないの?
今になって気づいたって嫌いになんてなれないよ
追いかけたら逃げて
捕まえたらすり抜けて
もうわかんない その嘘ほんと?
私でもう遊ばないでよ
求めてたのは嘘じゃなくて愛だった
わかってるの でも今すぐ 大人になれない
愛って思ってた以上に痛い それなのに
なぜ求めてしまうの?
出典: liar or LIAR ?/作詞:林保徳 作曲:林保徳
イヤな予感というものはたいてい当たるもの。
そう相場は決まっています。
どれだけ上手に嘘をついていても、透けて見える真実。
そしてその真実は、彼女を打ちのめします。
打ちのめされるのは、信じていたから。信じようとしていたから。
愛を求める彼女を騙すのは、赤子の手をひねるように簡単なことだったのでしょう。
愛に飢えているからこそ、嘘と心のどこかで気付いていても必死でそれを打ち消しながら愛にしがみつこうとする。
そんな様子を見て、もしかしたら彼は面白がっていたのかもしれません。
嘘と知ってしまったから断ち切ろうとしたら、また手のひらを返すように優しくなったりして弄ぶ。
ほんの少しの間しかなくても、愛されていると感じているその時は幸せかもしれません。
でもその時間が過ぎてしまったら地獄のような苦しみが襲ってくるだけ。
愛を得たと思ってしまったからこそ、再び愛を失うのが恐ろしいのです。
信じてもまた裏切られる
優しくてちょっと深いkiss
You are liar. I'm tired.
信じた私がバカなんだ
情けなくて涙も出ない
わめいたって 嘆いたって もうあなたはここにいない
“愛なんて嫌い 信じたって
どうせまた裏切られる…”
傷ついて でもくり返し
またそう言って愛をさがして
噛み締めた痛みと喜びを刻まれ
悔しくて でも疼いて 壊れてしまいそう
愛って思ってた以上に痛い それなのに
なぜ求めてしまうの?
出典: liar or LIAR ?/作詞:林保徳 作曲:林保徳
信じたから裏切られる。
だからもう信じない、愛なんていらないと思っても、一度愛を知ってしまったらそれを拒否するのは容易ではないでしょう。
もう傷つきたくないと、こんなに辛い想いはに度としたくないと思っても、それでもまた貪欲に愛を求めてしまうのは、愛を知ってしまった人間の哀しい性なのかもしれません。
あの温もりを、あの優しい手を忘れられずに。