必死に批判をするだけして、「特に意味はないけど」とごまかして逃げる人。

血眼で誰かを批判するくせに、自分が投げた心無い言葉の責任は取りたくない。

 

まさに、現代のネット社会での問題が思い浮かぶような歌詞です。

 

頭でっかちな上辺だけの知識と発言でしか戦えず、見えない・知らない相手にムキになってしまいます。

結局、誹謗や中傷はなんのために、誰と戦うためのものなのでしょうか。

自分自身を汚している

誰かが呟いた 「汚れてしまった」
その肩を叩いた その手も汚れてた

出典: レム/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

批判する相手を探して、揚げ足を取ったつもりが逆に批判される羽目になってしまうこともあります。

他人をむやみに叩く行為のみっともなさにも気づかずに、無意識に自分の存在を汚してしまっている人。

そんな人は、ネット社会の中にたくさん存在しているのではないでしょうか。

2番の歌詞

与えられた餌の味 解らないけど 先ず批評
美味い・不味いの基準は 隠れて読んだ週刊誌

変わったふりを見透かされて 芸術的な言い訳
わきまえた大人の顔 守るモノでもあったの
それとも既に飽きたの

出典: レム/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「批評する」ことは「かっこいい」ことだと思い込んでいる人。

「本当」を知らないのにそれらしいことを言って批判する人はたくさんいます。

 

いざ核心を突かれたらシラを切って、受け売りの知識も理論武装も結局は自分を守るためでしかありません。

名前も顔も隠し誰かを批判し、誰かに何かを言われても逃げるための、自己防衛のためでしかないのです。

しかし、そんなことは結局なんのためになるのでしょうか。

 

大人のふりをして言い訳をして逃げて、その人に何か守りたいものでもあるのでしょうか。

それとも、批判をするだけして、飽きたら放り出してしまうのでしょうか。

 

批判した人が逃げても飽きてしまっても、心無い言葉を投げられた人が負った傷は消えることはありません。

誰かが呟いた 「忘れてしまった」
その声が聞こえた事すら忘れたの

出典: レム/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

めまぐるしく変化し、進化していく世界は、気づけば現実を見る暇もないまま過ぎ去っていきます。

たくさんの情報、言葉、新しいものに、現れたものはどんどん埋もれていってしまいます。

ネット上で投げかけた言葉で、現実には何が起こっているのかも本人は見ることができないのです。

3番の歌詞

冷めたふりがしたいなら もう少し賢くやれ
今更何を恐がる 嘘を嘘と思わずに
人を人と思わずに

出典: レム/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ネットの世界は、現実と嘘が入り混じった世界です。

誰かが何気なく発信した情報も、根も葉もないのに一人歩きする噂となって広がっていきます。

嘘がまるで本当のことのように語られる世界では、その嘘の代償を考える人もいません。

 

なんのためらいもなく嘘をつき、相手が生身の人間であることも考えずに言葉を投げかけられる世界なのです。

周りと比べてしまう世界

キャンバスに塗り潰した跡 そこに何を描いてたの
生まれた事を恨むのなら ちゃんと生きてからにしろ

出典: レム/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

他人の投稿や情報を見て、自分と比べてねたんでしまう。

ネットの世界にしがみついて、現実の世界で何かを努力をしたのか?

生身の人間として何かと向き合ってきたのか、命を懸けてきたのか?

そんなことを問いかけられているような気持ちにさせられる歌詞です。

誰かが呟いた 「気付いてしまった」
慌ててこっそり逃げた それも気付かれたぞ

出典: レム/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

現代のネット社会は、どこまでも追及され、追われる逃げ場のない世界と化しています。

批判した人でさえも、突然自分を暴かれ、晒されてしまいます。

24時間365日誰かに見張られているネット社会では、こっそり逃げてもすぐに誰かにつかまってしまいます。

『レム』に込められた「愛」