東京事変【私生活】歌詞の意味を徹底解釈！なぜ情けなく見えるの？僕から遠退くあなたの真意とは...

先ほどの歌詞では主人公は少し卑屈な雰囲気でした。

しかし次の歌詞では少々前向きになっています。

社会の中で1人、自分の所在地も分からずに働く主人公。

しかしそんな主人公も、コンパスさえあれば自分の居場所をつかめます。

ここでいうコンパスとは、恐らく「目標」や「生き方のお手本」のことでしょう。

これはこんな社会の中でも豊かな生き方をしている、もう1人の人物と重なります。

その指針さえあればどこに向かって行けばいいのか、主人公も理解が付くのです。

つまりもう1人の人物は、主人公にとって理想であり憧れであると考察できます。

最後に主人公が切実な想いを口にします。

それは、「相手にずっと寄り添っていたい」ということです。

ストレートな愛情表現ですね。

相手との会話や、時間そのものを主人公は愛しく思っています。

しかしそんなときに、ふと疑問がわきます。

「私の人生は残りどれ程あるのか？」

限られた時間に気付くのです。

生きる指針をなくしては、こんな感情は生まれなかったでしょう。

愛したいものがあるからこそ、あまりの時間の無さに焦るのです。

曲はクライマックスへ。

主人公の追いすがるような叫びを椎名林檎が歌い上げます。

主人公は焦りを感じているようです。

それは、相手に自分が追い付けないという焦りでしょう。

自分はどうしたら相手のように生きられるのか。

どうしたら好きな人のそばで笑える人生を送れるのか。

非常に考えさせられます。

理想をつかもうとするほど、その対象は遠ざかって見えます。

しかし主人公にはそれを追いかけることが生きがいになるかもしれません。

最後の歌詞からはそう読み取れます。

主人公は相手への愛から、今という時間の大切さに気付きました。

そして限りあるものを大切にしたいと考えたでしょう。

些細な幸せの実感が、人間をいっそう生かす。

そんなことを感じさせる1曲でした。

東京事変の【私生活】の歌詞を解説しました。

優しいメロディの中に、深い歌詞が散りばめられていましたね。

今という時間や、自分の生活を考えさせられる1曲でした。

さて、OTOKAKEでは他にも東京事変の歌詞解説記事を公開しています。

こちらの【生きる】は生命をテーマにした楽曲です。

日常的な生活をテーマにした【私生活】とはまた一味違います。

壮大な切り口で命を描いた東京事変の名曲。

その歌詞を独自に解説していきます。

ぜひご一読ください。