乃木坂46「遠回りの愛情」
今回ご紹介するのは、乃木坂46の「遠回りの愛情」です。
この楽曲は、10thシングル『何度目の青空か?』のカップリング曲となっております。
昭和歌謡のような雰囲気が漂うサウンドが、特徴的な1曲。
今回は歌詞にフォーカスを当て、その意味を解釈していこうと思います。
「遠回り」は一体何を意味しているのでしょうか。
作詞を担当された秋元康さんがこの楽曲に込めた意味を探ります。
1番
独りの帰り道
ひとつ手前の駅で降りたら
夕暮れの街 歩こうか
商店街の人混みを抜け
家までの道 一人きりで…
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
こちらが歌詞の出だしのパートです。
1〜2行目を見れば分かる通り、誰かに対しての問いかけでの始まりとなっています。
唐突さを感じる表現ですが、それによって歌詞の前日談を想像できるような奥行きが感じられるのです。
1〜2行目だけを見ると、仲の良い誰かに対しての問いかけだろうと感じる表現。
しかしながら3〜4行目を見ると、ここでは主人公が独りで歩いていることが分かります。
つまり、主人公は独りぼっちで家路についているのです。
この歌詞パートから感じるのは、独りであることの寂しさ。
今までは1〜2行目にあるような台詞を誰かに対して言っていたのではないかと想像させられます。
今日起こった出来事
風に吹かれながら
今日のこと
考えてみる
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
そんな帰り道で、主人公の彼女が考えるのは「今日」起こった出来事でした。
隣からいなくなった誰かを想像してしまいます。
そして、1行目の「風」という言葉から感じるザワザワ感。
それは、この日の出来事が非日常的なものであったことを物語っています。
彼女が何を考えているのか。
それは、サビの歌詞パートによって明らかになっていきます。
サビ
時間が欲しいの
今の二人にとって
とても大事な選択
簡単に決められないわ
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
ここからの歌詞が、主人公の回想になっているのでしょう。
1行目から、主人公が言った言葉だと考えられます。
きっと恋人同士の会話なのでしょう。
2〜3行目から分かるのは、何か大きな決断をしようとしていることです。
4行目から分かるのは、結論を決めかねていること。
また、ここの口調から主人公が女性であることが分かります。
愛しているから
どんな結論だって
ちゃんとその目見ながら
答えたい
遠回りの愛情
出典: 遠回りの愛情/作詞:秋元康 作曲:Noda Akiko
1行目から、恋人への愛を語っています。
そして3〜5行目では、この決断について真剣に考えているということを伝えているのです。
これだけ重大に考えているということから推測するに、これは2人の今後に関することでしょう。
愛し合っているが、理由があってそれに応えるのを躊躇っている。
そして、5行目でタイトルにもなっているフレーズが出てくるのです。
これはまさにこの状況を言い表した表現でしょう。
恐らく、告白もしくはプロポーズといった、2人の関係が変わる出来事を表しています。
しかし、臆病でそれに応えることができない主人公。
そんな状況が浮かびます。