Mr.Children「常套句」とは?
「常套句」のPVを紹介
Mr.Childrenの「常套句」は2012年11月に発売された17作目のアルバム、[(an imitation) blood orange]に収録されている楽曲です。
ちなみにモノクロのアニメーションが印象的な公式PVのオフィシャルチャンネル内における再生数ランキングは44位です。
もっと人気じゃないのと思う方も多いでしょうが、ショートバージョンしかないので無理もないですね。
シンプルながらも記憶に残る映像となっており、丸い形をしたキャラクターを巡って語られる物語に興味がそそられます。
バラード調の楽曲との組み合わせも良い違和感になっていますね。
まだの方はこの機会にこの独特なPVをご覧になってみてはいかがでしょうか。
[(an imitation) blood orange]ってどんなアルバム?
めざましテレビのテーマソングとして起用された「Happy Song」や、資生堂のCM曲の「Marshmallow day」。
それらが収録されているこのアルバムは、2012年11月度のオリコンアルバムランキングで1位を記録しました。
「常套句」も「遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~」というドラマの主題歌です。
震災後初めてのアルバムとなった本作。
ジャケットの優しいオレンジ色に象徴されるように、心を包み込むような優しさがアルバム全編を漂っています。
「常套句」は「遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~」の主題歌
「遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~」は高知県の四万十市を舞台に、男女7人が繰り広げる青春群像劇です。
生田斗真主演のこのドラマは、第67回文化庁芸術祭参加作品テレビ・ドラマ部門で優秀賞を受賞しました。
そんな高い評価を受けた作品を象徴する主題歌として起用されたのがMr.Childrenの「常套句」です。
ドラマを見ていた方は、この楽曲とドラマの不思議な親和性に気が付いていることでしょう。
群像劇ということで様々な人々の感情が交錯する作品。
「常套句」で歌われている切実な想いはこのドラマにも通ずるものだといえるでしょう。
Mr.Children「常套句」の歌詞解釈
ありきたりな言葉
曲名になっている「常套句」とは、同じような場面で決まって言うような言葉のことです。
そんな曲名の通り、歌詞の中で「君に会いたい」、「何していますか」、「気分はどう」とありきたりな言葉を使っています。
使っている言葉をありきたりと言いましたが、曲自体は全くありきたりとはかけ離れたもので、むしろこんなよく使う言葉でここまでの想いを伝えながら、しかも、かっこいい楽曲になっているのがこの曲のすごいところです。
また、こうした言葉の影に潜む、強すぎる想いにも注目しつつ解釈していきます。
繰り返しの歌詞は省略しますが、歌詞解釈を全て載せるので、是非見てみてください。
歌詞の言葉1つ1つを紐解いていくことで、この楽曲に込められた本当の想いに気がつくことができるはずです。
それでは早速、冒頭の歌詞から見ていきましょう。
「この想い」にしがみ付いて生きている
君が思うよりも
僕は不安で寂しくて
今日も明日も ただ精一杯
この想いにしがみ付く
出典: https://twitter.com/Mr_children_god/status/899045907982942208
恋人ができると、幸せもたくさん手に入る分、会えない時間や同じくらい「不安」や寂しさも募るものです。
「この想い」とは「僕」の「君」への恋心のことです。
今が幸せすぎて、「君」といつまで付き合っていられるのか不安になっても、ずっと一緒に居られる確証はどこにもありません。
だから、「僕」が「君」をこれだけ好きなんだから、ずっと一緒に居られるはずと「この想いにしがみ付く」しかない「僕」の心情が綴られています。
しがみついたり、追いすがったりするのは格好悪いと思う人も多いかもしれませんね。
しかし、一途な想いは相手にも伝わるもので、そのことはきっと二人の関係性を長く保つ助けとなるのでしょう。
自分が客観的に見てこの恋に依存していると思えるくらいの熱量と冷静さでちょうどいいのかもしれません。
また、このパートでは主人公の弱さも表現されているのではないでしょうか。
相手から見えている自分よりも、実際の自分はもっと情けない。
そう感じている自身の心情を吐露しているようにも感じられます。
一緒に居たいけれど、そんな情けない自分を見せてしまったら嫌われてしまうかもしれない。
不安が更なる不安を呼んで、彼を追い詰めていっているのが分かります。
主人公は恋人ともっと一緒に居たいからこそ、弱い部分を見せないようにしているのではないでしょうか。
精一杯に「君」から見た自分のイメージを維持すること。
それが偽りであっても一緒に居続けるためにはそうするべきだと考えているのかもしれません。