単純な作業や工程のものは大体がロボットやAIに頼る時代になっています。
作業が決まっているものはロボットにまかせてロボットでは出来ない業務を人がする社会。
むしろ緻密な計算や膨大な情報処理はロボットだからできる点です。
ひと昔前に比べると随分と生活は楽になりました。
現在私達が普通に使用しているスマホなんかも生活を楽にしている道具の1つです。
AIやコンピューターが身近になっている生活の中で自分自身で選択することは昔より少なくなってきています。
ちょっと言葉を入力すれば、答えを見つけ出してくれるコンピューター。
なんなら人付き合いの方法や自分と相性の良い性格を教えてくれるなんてことも。
しかし主人公は、そこまでコンピューターに頼り切りにはなりたくないようです。
自分で考えて納得した選択を選びたい。
主人公が悩んでいるのは少々手間がかかる事かもしれません。
それでも自分で答えを見つけたいと主張しています。
意味のないこと
泳ぐ必要も 傷も無いのに何故か
覚えた息継ぎをして
先に溺れるよ それで消し切れるなら
どこまでも ただ 遠くへ
綺麗事 言うよ 価値を値付けたまま
おいでって おいでって おいでって なんで
明日にはもう 忘れてしまうのに。。
出典: ハゼ馳せる果てるまで/作詞:ACAね 作曲:ACAね
歌詞1、2行目は上記で紹介したコンピューターを使用せずに自分で考えることに対しての皮肉でしょうか。
別にする必要もないことで、もっと最適な選択肢があるのに、と言われているようです。
しかし2行目に書かれている歌詞は生命活動を維持する上で大事な行動でもあります。
ひょっとすると主人公にとっては無駄ではなく重要なことなのだと表しているのかもしれません。
しかし、この行動は他の人からしたら理解できないことなのでしょう。
歌詞6行目では主人公をこっちの便利な選択肢へ引き込もうとしているようです。
最後の歌詞は主人公側の気持ちか、他人側の気持ちかで少し解釈が分かれます。
主人公側だと記憶にも残らない選択方法の違いなのに、どうしてそこまで引き込もうとするのか。
そんな疑問を浮かべているイメージができます。
集団だと何かと行動を一緒にしなければ変な目で見られる場合もあるでしょう。
そのため他の人とは違うことをしている主人公を、みんなと同じ方法を取らせようとしているのかもしれません。
逆に他人側の気持ちを表しているのだとすれば、主人公がどうしてここまでこだわっているのか?
すぐに忘れるようなことじゃないか、と思っているように想像できます。
好んではいない相手
君の欠点ばかり漁って
孤立無援の罠を潜って
深い曹操に自ら溺れて
涼しい顔で笑って
そっと涙を零すのなんで
渡りたくないのにどうして
出典: ハゼ馳せる果てるまで/作詞:ACAね 作曲:ACAね
上記の歌詞を読み解くと、主人公は決して相手のことが好きで会いたいというわけではなさそうです。
1~3行目を見ると、君のことはどうでもいい存在だった様子。
君のことより自分の存在を確立させるために色々と利用していたのかもしれません。
しかし相手は利用されたことを怒ることも、集団の前で公表することもしなかったようです。
特に2行目の歌詞からは仲間外れや、いじめの標的にしていたようなイメージが出てきます。
それだけ相手が強い人なのかと思いきや、誰もいない所でひっそりと泣いていた…。
どうしてでしょうか。
最後の歌詞からも主人公が強く疑問を持っていて、印象に残っている様子が感じ取れます。
罪悪感
ずるいよ ずるいよ
痛い痛いの飛んで行けって
もういいよ もういいよ
君の意味になれないなら
上昇気流 奪って 引き止めたりしないで
簡単に可能性 与えないでいてね
出典: ハゼ馳せる果てるまで/作詞:ACAね 作曲:ACAね
時間が経って自分がやってきた愚かな行為に気づいた主人公。
自分を守るために相手を傷つけていた罪悪感がふつふつと沸いてきます。
しかし歌詞を見てみると傷つけられていた優しい相手は、主人公を慰めている様子。
そんな優しい相手に対して、主人公はありがたさと同時に1行目の歌詞のような気持ちになったのでしょう。
相手が自分に優しくするたびに自分の醜さが浮き彫りになるような。
そんなどうしようもない惨めで汚い感情が主人公の気持ちを支配していそうです。
そして主人公は、こんな過ちを二度と起こさないように歌詞の最後で決意を込めて相手に言っているのでしょう。
過去の失敗を通して
当てはまってても 抗っていたいよ
今宵も水に 溶けてお休み
罰があってても 振り向かないよ
単純に慎重に 泳いでいたいの
出典: ハゼ馳せる果てるまで/作詞:ACAね 作曲:ACAね
自分の過ちを認識した主人公。
二度と同じことは繰り返さないようにと意識して生活しているようです。
その過ちを起こさない1つの方法としてコンピューターに頼り過ぎないことがあったのかもしれません。
なんでもコンピューターに頼り過ぎていたから、自分で選択を決める時も「楽」な方を選んでしまった。
集団の中で「楽」をするために相手を陥れてしまったと想像することができます。
他人には理解されないけれど
当てはまってても 争っていたいよ
今宵も水に 溶けておやすみ
泥まみれでも 信じさせてよ
異なる自分を愛していたいの
出典: ハゼ馳せる果てるまで/作詞:ACAね 作曲:ACAね
この主人公のちょっとしたこだわりの部分は他人には理解されないことでしょう。
自分で考えて選ぶより、コンピューターにまかせた方が早くて最適なのですから。
それでも歌詞3行目を見ると、主人公は自分なりの方法を貫き通している様子。
歌詞の最後からしても主人公は自分の、この方法で間違いは犯していないことが予想できます。
自分が納得する方法で選択する。
当たり前のようで他人の意見をたくさん見ることができる社会ではなかなか難しいことでしょう。