中森明菜の『駅』で山下達郎が違和感を感じた歌詞というのが、2番サビフレーズのラストにある「初めてわかるの痛いほど 私だけ愛していたことも」という部分。
中森明菜バージョンではここの部分を、「(あなたは)私を愛していないけど、私は愛していた」という解釈のもと歌われていたのだとか。
しかし竹内まりやとしては、「(あなたは)私のことを愛していたのが、痛いほど分かる」という意味を込めて作詞をしています。
このため双方の解釈が大きくズレており、一時は物議を醸していたナンバーが『駅』です。
名曲『駅』の歌詞を解説
1番フレーズ
見覚えのある レインコート
黄昏の駅で 胸が震えた
はやい足どり まぎれもなく
昔愛してた あの人なのね
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/%E7%AB%B9%E5%86%85%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%82%84:%E9%A7%85
懐かしさの一歩手前で
こみあげる 苦い思い出に
言葉がとても 見つからないわ
あなたがいなくても こうして
元気で暮らしていることを
さり気なく 告げたかったのに…
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/%E7%AB%B9%E5%86%85%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%82%84:%E9%A7%85
『駅』のイントロは、電子サウンドを用いた切ないメロディーが印象的です。
1番フレーズでは、とある駅で一人の男性を見かけた女性の姿がイメージできます。
どうやらその男性というのは、過去に恋人であった存在の模様。
分かれてから月日が経っているせいか、懐かしさがこみ上げて声をかけようとしています。
しかし声をかけたところで、何を話せばいいのかということに気がつき「はっ」としている様子。
ただ一言「元気だよ」と伝えたくても、言葉が出ないのが切ないです。
2番フレーズ
二年の時が 変えたものは
彼のまなざしと 私のこの髪
それぞれに待つ人のもとへ
戻ってゆくのね 気づきもせずに
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/%E7%AB%B9%E5%86%85%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%82%84:%E9%A7%85
ひとつ隣の車輌に乗り
うつむく横顔 見ていたら
思わず涙 あふれてきそう
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/%E7%AB%B9%E5%86%85%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%82%84:%E9%A7%85
今になってあなたの気持ち
初めてわかるの痛いほど
私だけ愛してたことも
出典: https://twitter.com/nekomaman522/status/882724518992556032
2番フレーズからは、彼と別れてからの変化。
別々の人生を送るようになって2年がたっているのが、歌詞からも分かります。
そこで女性が考えたのが、現在のお互いの状況。
自分も彼も恋人がいて、何事もなく日常が過ぎていくことに儚さを感じているようなイメージです。
過去を思い出しながら男性を見つめている様子ですが、当時の気持ちがこみ上げているのも分かります。
そして問題のフレーズ「初めてわかるの痛いほど 私だけ愛していたことも」ですが、ここで今更ながら男性が自分に対してどう思っていたのかを理解している感じです。
ラスト
ラッシュの人波にのまれて
消えてゆく 後ろ姿が
やけに哀しく 心に残る
改札口を出る頃には
雨もやみかけた この街に
ありふれた夜が やって来る
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/%E7%AB%B9%E5%86%85%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%82%84:%E9%A7%85
最後のフレーズは、サビのメロディーで歌います。
歌詞では彼が人ごみに消えていくイメージがあり、そこに男性を寂しく見送る女性の姿が。
彼女の悲しみを表現するような止みかけの雨と、夜を迎える景色でより儚い情景が目に浮かびます。