では名曲「駅」の歌詞をさらにひも解いてゆきたいと思います。

主人公は女性です。ある男性と別れて2年が経っていました。

主人公が住む街の、いつも利用する駅で歌詞の物語は始まります。

恐らく、会社からの帰宅だったのでしょうか。

主人公はいつものように駅に向かっていました。

その日は雨が降っていたようです。

すると、ふと見覚えのあるレインコートを着た男性の後姿を発見しました。

その瞬間に、胸にこみあげてくる熱い思い

主人公の胸にあの過ぎ去った楽しい日々と別れの悔恨の情が沸き起こったのです。

しかしレインコートの男性は、そんな気配を全く気付かず急ぎ足で帰路につきます。

主人公はただ茫然とその姿を追いかけるだけでした。

ひとこと、言いたかった…

主人公は咄嗟に男性に対する悔恨の情を湧き立たせます。

そしてひとこと、言っておきたい言葉をみつけました。

「あら!久しぶり!元気だった?」

主人公は努めて明るくふるまってこう言おうとしたようです。

しかし、それは主人公のせいいっぱいの負け惜しみ。

もし、本当に男性と正面から久しぶりに対面してしまったら大粒の涙しか出なかったでしょう。

言葉など、かける勇気は全くないのです。

それくらい、男性との別れに大きく心を痛めてきた2年間だったのです。

でも、それでもどうしても今の自分の元気さだけは分かってほしかった。

男性と別れたことで自暴自棄に陥っていない自分の姿を正しく伝えておきたかったのです。

でも、やはりそんな勇気は生まれてこなかったのです。

甦るあの懐かしい日々

あなたのことが本当に好きでした

主人公は偶然、発見してしまった男性の存在に心を大きく動揺させます。

同じ電車にどちらも乗るようですが、とても同じ車両に乗合する勇気が出ません。

電車はそんなに混んでいないようです。

もし同じ車両に乗ってしまったら、なにかのはずみで見つかってしまう。

だからわざと隣の車両に乗って男性を遠巻きに眺めることにしました。

ここまで、主人公は理性とは裏腹の行動をとってしまいました。

ほとんど無意識に男性を観察する格好になってしまいました。

それくらい、主人公は男性との別れが辛かったのです。

後悔してもしきれないくらい辛いのです。

ひとりの男性をここまで愛おしく好きになったのは本当にこの男性が最初で最後だったのでしょう。

主人公は今更ながらに、過去の思い出に胸を締め付けられるのでした。

若かったあの頃の自分に…

たった2年が経過しただけで主人公が大人の女性に変わったのかどうかは分かりません。

しかし、確かにあの頃の自分は自分勝手で思いやりがなかった…。

そんな後悔の念が今になっても泉のように湧き出してしまう。

それくらい男性に甘えていた自身の幼さに苛立ちとあきらめがつかない今の気持ちに戸惑っているのです。

ふと目に留まった男性の横顔。

そこにはなんともいえない憂いがたたずんでいる。

それはきっと自分自身が男性に与えてしまった深い心の絆なのでは。

そう思うに至って、主人公はどうしようもないほど自身を苛むのでした。

私だけを愛してくれていた

「駅」の歌詞中には2人が別れるに至った理由はありません。

よって主人公が、あんなに好きだった男性と別れてしまった理由はある程度、限定されます。

それは他の女性への嫉妬でしょう。

根拠のない男性の女性遍歴に主人公がやきもちを焼いたのでしょう。

主人公は、当然自分のことだけを愛してくれていたはずだと信じ切っていたはずです。

だから、ちょっとした男性の不審な動きが許せなかったのでしょう。

そこで癇癪を起して勢いで結果を出してしまったのかもわかりません。

しかし、この2年という時間は主人公に冷静になる余裕を与えてくれました。

そして思い当たることを冷静につなげてゆきました。

そこでようやく自分の幼さ浅はかさ悟ったのかもわかりません。

それが胸を締め付けるように自分を責めだした頃に偶然、男性と出くわしたのです。

主人公の心が散り散りに乱れてしまうのも致し方ない現実だったのです。

もう戻ってこないあの日常

主人公は自分と男性が帰路につく駅で降ります。

後姿を再び、遠巻きに眺める主人公。

男性は取り立てていつもの姿で歩いて、やがて人混みの中に消えていきました。

そう、各段何の変化も感傷にも浸ることのない景色です。

しかし、主人公の胸には例えようもないくいらいの感傷が起こっていました。

心に残る哀しさ。

悪いのは自分だった

せめてあの人にひとこと、謝っておきたかった。

でも、そんな勇気もない自分が腹立たしい。

主人公は一瞬のうちに頭を駆け巡る悔恨の思いでどうすることもできませんでした。

そして、ようやく我に返ったようです。

いつものように家に向かいます。

当たり前の日常に自分を戻します。

そこにはいつものように自分を迎え入れてくれる景色が待っています。

男性のことから立ち直るにはまだ時間がかかるでしょう。

そのためにも主人公は今を生きてゆくのです。

まとめ

竹内まりや「駅」に隠された真実とは…?!中森明菜と真逆の解釈と熱いバトルが!話題の歌詞の意味に迫る!の画像

もともとは中森明菜が最初にリリースしたナンバーの『駅』ですが、今では制作者である竹内まりやの代表曲の一つです。

一度聞いただけでも世界観が広がる同ナンバーは、歌詞の解釈によって全く違う曲にもなりえます

このため一時はちょっとした騒動になりましたが、名曲であることには変わりはないですね。

「駅」は竹内まりや自身が歌うことによって多くのファンを獲得した楽曲といえるでしょう。

それまでの明るいポップ感の彼女のイメージを大きく変えるのに一役買った名曲となったのです。

多くのファン層を持つ竹内まりやさん。まだまだ素晴らしい曲がありますよ。

数々の代表作を生み出す竹内まりやは、ヒットメーカーとしてて日本のミュージックシーンでも知られています。そんな竹内まりやは楽曲を提供することも多く、自身でリリースしたナンバーを含めると数えきれないほどの名曲があります。そんな名曲の一つ『元気を出して』の誕生秘話に迫ります。