秦基博【Raspberry Lover】歌詞の意味を解説！夢中な彼女はどんな人？甘い実が示すものとは

これだけ、彼女のことを見つめているのです。

「彼女が気付いていないはずがない。」

主人公はそう思っているようですが、それは自意識過剰の可能性があります。

といいますか、彼女は多分主人公のことはなんとも思っていないでしょう。

いくら「自分にとっての本命は彼女だけ」といったところで、受け入れてもらえるかどうかは相手次第。

しかも彼女はもう付き合っている相手がいる状態です。

切ないですね。

主人公はもしかしたら「彼女のことを一番わかっているのは自分だ」と思っているのかもしれません。

まったく根拠のない話ですが、主人公の中ではそういう風に答えが出ています。

想いがまっすぐなのは結構なことです。

ただ相手からすれば迷惑、もしくは「恐い」ともいえる台詞です。

「彼女をこの手にできるのなら、どんなことだって受け入れる。」

そう主人公は思っているようですが、実際の行動にはなかなか移せないでしょう。

主人公は、どんなことも受け入れると歌いながら、実際には行動に移しません。

今まで通り、少し離れたところからずっと彼女を見つめ続けるだけです。

何故でしょうか？

それは歌詞の最後にある疑問形に現れています。

主人公は、今の自分のありのままを彼女に受け入れてもらいたいのです。

だから、いま自分が持っていて、なおかつノーダメージで差し出せるもの。

その範囲でしか、主人公は考えることができません。

もし「彼女を手に入れたいのなら、一旦彼女を諦めろ」と言われたとしたら。

あるいは「彼女を手に入れたいのなら、いまの自分を捨てろ」と言われたとしたら…。

そこまでではないとしても「玉砕覚悟で告白しろ」と言われたら？

主人公は行動に移すでしょうか。

勝手な推測になりますが、主人公は告白できないと思います。

なぜなら「負け戦はしたくない」という「自分を守りたい気持ち」が主人公の心の中に秘められているからです。

ただ、この秘めた想い自体は否定するものではありません。

人間誰しも、自分が大切ですし、また誰もが自分を大切にすべきだからです。

冒頭から叶わないことがわかっていた主人公の恋心。

この葛藤を乗り越えて、主人公が一回り成長することを願います。

最後まで読んできましたが、この歌詞に登場する主人公に共感する方もきっといらっしゃると思います。

諦めと熱情を行き来し、葛藤し続ける内面。

その一方で、大好きな彼女の前ではおどけて見せたり、意識していない風を装ったり…。

若い頃の自分を見るような感覚、あるいは現在進行形で同じ感覚を味わっている方もいるのではないでしょうか。

この苦しみは時間が癒してくれるのを待つしかありません。

裏を返すと、時間が経てば少しほろ苦いけど良い思い出になるということです。

秦基博さんがこの曲を歌うのは、もしかしたら「かつての自分を客観視できているから」なのかもしれませんね。

さて、OTOKAKEでは秦基博さんの楽曲解説記事を他にも多数掲載しております。

例えば「初恋」は「Rasberry Lover」と同じく恋愛をテーマにした楽曲。

しかし「初恋」は素直な切なさが前面に出されており、同じシンガーの曲とは思えないほど。

こちらの歌詞解説と読み比べていただければと思います。