そんなすごい奇跡で、まるで今風に言うなら超貴重な限定品に匹敵するのに
何で僕らの毎日はこんなにいつでも切羽詰まってんだよ
超限定品ならVIP待遇なんじゃないの?
奇跡で産まれたって言うんなら、その奇跡はちゃんと最後まで継続させてくれよ
平和と退屈は隣り合わせ、裏返しの世界のようだ
でも平和を見失ってしまうと
核弾頭が飛び交う時代に突入するんだ
飛び交う合唱や歓声
冷たい声の合唱に 希望の度を越えた歓声に
もみくしゃになったまま 走らせた今日を
右向け右の号令に 正気を失った万歳に
しわくちゃになったまま 明日を迎えにいくよ
出典: シュプレヒコール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
戦時のあの異常さ
熱に浮かされたように理想と信念を叫び、洗脳されたように繰り返す
そんな周りに自分も巻き込まれながら
完全に体制に支配されて
右を向けと言われれば右を向き、左へと言われれば左へと
何のためかわからぬ万歳をし
そんな毎日が過ぎていくんだ
何千年前だか確かに
この世界ではじめて「ウソツキ」と
言ったあなたに 言っておきたいんだ
すべては君がはじめたんだよと
あれから幾年月経ったって
君の声は今も木霊してる
思わず口をついた四文字が
この世界を今も覆っている
この瞬間も止めどなく ほら 白と黒とがやりあってんだ
その火の粉で上がった炎で 泣く泣く僕ら暖をとったんだ
出典: シュプレヒコール・作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「四文字」の意味は…?
「ウソツキ」
その言葉が世界中を覆っている
大昔から存在したであろうその言葉が今のこの世界のすべてを物語っている
本当に嘘ついたのかどうかではなく
「ウソツキ」と攻撃したことですべてが始まったんだ
どれだけ年月が流れても、「ウソツキ」の四文字は消えることはない
白黒はっきりさせる為、今日も戦争は起こってる
白黒つかない、グレーの問題だってたくさんあるのに
そして戦争のおかげで、どこかで利益を得るものもいるんだ
語り継がれた物語は
いつも終わり方は決まっていた
「そして彼らは いついつまでも
幸せに暮らしましたとさ」
ちょっと待ってよ 知りたいのは
その続きだよ 守りたいのは
やっと手にしたハッピーエンディングを
枯らさずに咲かせとくカプセルを
大ドンデン逆転勝利も 全世界的ハイライトも
出尽くし あとはデットエンドの この時代に産まれた運命を
二行にまとめられたストーリーを
出典: シュプレヒコール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
知りたいのはハッピーエンドの後
物語で語られるのは、いつもハッピーエンド
それはいいけど、それをどうやって保つのか教えてくれよ
それがないから、歴史は繰り返すんだろ
もう今のこの世界は、大どんでん返しはあり得ないんだ
見えているのはデッドエンド
それがこの時代なんだ
踏みにじられた正解も 容易く裏切られた情熱も
しわくちゃになってなお この手の中に
積み上げられた過ちに 黙して語られずの回答に
散り散りになってなお しがみつくけど
いよいよすべて はじめましてです
自分の家でみんな迷子です
そう 幸せの数え方から もう一度
出典: シュプレヒコール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
何が正しいのかわからなくなってしまっても
期待を全て裏切られることになっても
それらはいつまでだって自分の中にあり続けるんだ
誰もが犯してきた過ちも、求めてきた答えも結局は語られないまま
それでもそれにこだわり続けて
そんなのは、もう終わりにしよう
何もかも最初から始めよう
無実と張り上げた声でも
実はどっかに心当たりも
さぁ いざ甘んじて受けましょう
『主文:懲役、僕の生涯』を
命を賭し 命の刑期を
冷たい声の合唱に 希望の度を越えた歓声に
もみくしゃになったまま 吐き出した今日を
とっくに枯れ果てた涙線を 揺らし続ける君の存在も
ごちゃ混ぜになったまま 瞬く世界
出典: シュプレヒコール/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
人は無実と信じていても
実はそう思い込んでいるだけだったり
じたばたあがいたところで変わりはしない
自分だけに与えられた運命は、この僕だけの人生
どんな時代であろうとも
涙がかれるほどの世界だったとしても
それをさらに揺さぶるほどの存在の君がいたとしても
それらすべてが結局は一瞬のことなんだから
人間の一生なんてそんなものだろう
RADWIMPSからのシュプレヒコール
”シュプレヒコール”とは、皆さんも目にしたり耳にしたことがあると思いますが、デモなどで一斉に声を合わせてスローガンや信念を叫ぶことです。
世界が戦争に向かうとき、世間は熱に浮かされてようになって狂気を帯びたようになり、正しい判断はまかり通らなくなります。
戦争を行うのは一人一人の人間であり、その運命に巻き込まれた人たちです。
たまたま、その時代、その場所に生まれたというだけで。
この記事のタイトルにある四文字とは「ウソツキ」のこと。
誰かを「ウソツキ」と呼ぶことで、世界の争いは始まったのかもしれません。
シュプレヒコールのように「ウソツキ」を叫んで、誰かを糾弾したのかもしれません。
そういったことの虚しさや、嘘と本当、平和と退屈は表裏一体であること、世の中には白黒つかない問題に白黒つけようと愚かな争いを繰り返すことをこの曲の歌詞は指摘しているようです。
この曲そのものが、RADWIMPSからのシュプレヒコールなのではないでしょうか。
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