大人の恋の歌を歌わせたら天下一品!

2013年にレコードデビュー40周年を迎えた高橋真梨子さん。彼女ほど大人の女性の気持ちを艶っぽく歌えるアーティストは、そうはいません。

高橋真梨子さんの名前は知らなくても、彼女の曲を知っている方は多いのではないでしょうか?

高橋真梨子『はがゆい唇』はドラマ『眠れない夜をかぞえて』の主題歌!刺激的な歌詞の意味を徹底解釈!の画像

『はがゆい唇』

1992年に高橋真梨子さんの18枚目のシングルとして発売されたで『はがゆい唇』。

ドラマ『眠れない夜をかぞえて』の主題歌であり、『桃色吐息』以来8年ぶりにオリコンチャートでトップ10入りもしています。

今は懐かしい”火サス”=火曜サスペンス劇場の主題歌だった『ごめんね…』とともに、高橋真梨子さんの代表曲ともいえる曲です。

さまざまなアーティストにカバーされた『for you』を含めて、高橋真梨子さんの曲は発売直後の爆発的な売り上げはないものの、息の長いロングヒットばかりです。

だから”どこかで聴いたことがある!”と感じる曲が多いのです。

多数のコンサートやディナーショーを開催している成果もあるでしょうが、きっとどの曲も心に沁みる曲だからでしょう。

高橋真梨子さんを音楽に向かわせたもの

高橋真梨子さんが音楽の道を志したのは、今は亡き父親の影響だそうです。

広島で生まれた高橋真梨子さんは、父親がジャズクラリネット奏者を目指すため福岡に転居し、そこで育っています。昔から福岡は音楽が盛んだったんですね!

彼女が10歳の時に両親が離婚したため、その後は母と二人暮らしでした。

「当時、離婚の原因となった母の浮気を許すことができなかった」と後に高橋真梨子さんは語っています。

多感な年ごろである思春期に、そんな複雑な感情を抱いたことが、彼女の歌う曲を深みのあるものにしているのかもしれません。

高校生の時、上京し渡辺プロダクションでプロ歌手になるための本格的なレッスンを受けました。

しかし、事務所の目指す路線は彼女の思い描いていたものとは違ったため、事務所を辞めて地元福岡に戻ります。

 そんな高橋真梨子さんを再度東京に引き戻したのは、ジャズからフォーク、ラテンロックまでこなす音楽バンド”ペドロ&カプリシャス”のペドロ梅村氏でした。

2代目ボーカルとしてスカウトされた高橋真梨子さんは『ジョニィへの伝言』『5番街のマリーへ』が大ヒットし、『ジョニィへの伝言』で第25回紅白歌合戦に初出場を果たしています。 

その後、1978年にはソロのアーチスト高橋真梨子として活動を始め『for you』『桃色吐息』『はがゆい唇』などのヒット曲を発表。

自身でも作詞を手掛け、実力派ソロシンガーとして多くの人気を集めています。

アメリカニューヨークのカーネギーホールやイギリスのロイヤル・アルバート・ホールでのステージも経験しており、海外でもその実力は認められています。

数々のアルバムを発表

ビクターエンターテイメントの公式YouTubeです。ほんの少しですが、高橋真梨子さんの歌声を感じて下さい♪

ドラマ『眠れない夜をかぞえて』

ドラマ『眠れない夜をかぞえて』の主題歌だった『はがゆい唇』。ドラマについて少しご案内しましょう。

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女性が主役の刑事ドラマ

ドラマ『眠れない夜をかぞえて』の主題歌だった『はがゆい唇』。まずはドラマについて少しご案内しましょう。

『眠れない夜をかぞえて』1992年にTBS系列で放送された鎌田敏夫さん脚本の刑事ドラマで、放送枠が22時ということもあって、その内容も大人向けのドラマでした。

それまでの刑事ドラマといえば、『太陽にほえろ』『西武警察』など一話完結型で、男性主役のカッコよさやスカッと感を前面に出した作品が多く作られていました。

そんな中『眠れない夜をかぞえて』では、一話完結ながら11話通して大きな一つのテーマを追っていくという手法がとられました。

放送回が進むごとに大テーマとなっている事件の謎が解き明かされていくという内容で、毎回放送後は続きがどういった展開になるのか、ハラハラドキドキ待ち遠しくなるドラマでした。

主人公が女性の刑事だったり、サブタイトルが毎回漢字一文字だったり、当時としてはいろいろな面で画期的な手法がとられたドラマでした。

少しだけネタバレ

『眠れない夜をかぞえて』この刑事ドラマは、田中美佐子さん演じる石島倫子が、警部という立場で所轄に配属されるところから物語は始まります。

石島倫子は小学生の頃、慕っていた教師からイタズラされ人間不信に陥っている女性。妹との確執もあり孤独を抱えた女性として描かれています。

倫子が配属されたのは、小林稔侍さんが所長を演じる新宿の所轄。定年間際の所長は、波風立てずにこのまま定年を迎えたいと思っていました。

所轄には、暴力団と癒着している林刑事(竹内力さん)、昇格試験の勉強に余念のない鑑識の清水刑事(段田安則さん)、倫子の教育係で密かに倫子に思いを寄せる秋葉刑事(笑福亭鶴瓶さん)。

そして、倫子が心惹かれていく怪しげな一匹狼の平山刑事(三田村邦彦さん)など一癖も二癖もある叩き上げの刑事ばかり。

実力派俳優が多く出演していましたね!

キャリア官僚であり、女性である倫子は浮いた存在として扱われますが、教育係の秋葉刑事は丁寧に捜査のイロハを教えてくれます。

大きな事件が背景にあって、一話ずつの事件は関連性がないのだけれど、少しづつ大きな事件に関連する事柄が描かれています。そしてその大きな事件に迫っていく倫子と秋葉刑事。

一話ごとの漢字一字のタイトルが、1つのヒント?!になっていて、同僚刑事の悲劇や妹との確執も上手く絡め、セリフは少ないけど心の動きを上手く表現したドラマでした。

最終回では、ついにずっと追いかけていた大きな事件の真犯人に行きつくのですが、犯人がわかった時の倫子を含め、所轄刑事たちの描写が秀逸でした。

三田村邦彦さん、カッコ良かったなあ。

25年も前のドラマですが、今見ても絶対面白いと思います。DVDが発売されていないのが残念です。TBSさん、お願いします! 

大人の歌詞を感じて♪

他人なら優しくできても
恋はエゴイスト
淋しさで抱き合うのさえも
ときに臆病になるわ
そう町は大きな鳥籠ね
みんな飛べないの
歯痒いのよその唇
キスする場所間違えてる
心の傷ならそんなとこにない

出典: はがゆい唇/作詞:阿木燿子 作曲:羽田一郎