メジャー第一弾のアルバム「コン・パーチ」をリリース
「コン・パーチ」ってどういう意味?
元ラブ人間のベース・おかもとえみや数々のミュージシャンに楽曲提供しているひろせひろせ。
実力者ぞろいのバンド「フレンズ」が8月1日に1st Full albumをリリースします。
アルバム名は「コン・パーチ」。これっていったいどういう意味なのでしょうか。
おそらく「コン・パーチ」は「こんぱち」からヒントを得ているのではないかと予測されます。
「こんぱち」とは相撲の用語。髷を結えるようになった力士があいさつ回りをすることを指します。
これまでインディーズで活動していたフレンズ。
このアルバムから所属レーベルをメジャーにうつして活動し始めます。
これは、いわば土俵を変えるということ。
このアルバムは、先輩のアーティストに対するあいさつも含めているのでしょう。
「常夏ヴァカンス」はアルバムのリード曲
フレンズの緩さと90~00年代ポップスのスタイリッシュさが融合
「コン・パーチ」のリード曲で7月6日にMVが公開されたのが「常夏ヴァカンス」です。
このMVもかなりおもしろいことになっていますので、あとで解説しましょう。
まずは曲調に注目。フレンズの楽曲といえば独特の緩いポップスがイチバンの特徴でしょう。
「夜にダンス」や「夜明けのメモリー」などの後ろノリなメロウなビート。
「Love,ya!」や「塩と砂糖」のような横ノリの4つ打ち。
どちらにしても背景に緩さがあるような気がするのです。
しかしこの曲では、かなりスタイリッシュなナンバーに仕上がっています。
これは確かにMAXとかSPEED、初期の宇多田ヒカルみたいなかっこよさ。
これまでの「かわいさ」を前面に出したおしゃれと比べると「常夏ヴァカンス」は違います。
「かっこよさ」を出したちょっとモードで引き締まったおしゃれなのです。
ファンキーな曲の展開にも注目!
70年代ファンク的なフレーズもちりばめた踊れる曲
イントロを聴いてふと浮かんだ曲がありました。
それがEarth Wind And Fireの「september」。
世界中でヒットした70年代ファンクを代表する1曲です。
イントロの静かな雰囲気で炸裂するトランペットはもちろん。
特に「常夏ヴァカンス」で注目したいのはベースラインです。
フレンズのこれまでの楽曲と比べて、ベースがかなり前面に出ている印象を受けます。
しかも終始うねりまくり。もはやメロディを構築しているレベルで動きます。
ダンサブルなムードを演出していて、70年代ファンクも背景に感じずにいられません。
キャッチーでおしゃれな雰囲気から、フレンズはポップスといわれがちです。
しかし、単なるポップスではなく、その背景にはあらゆる音楽からの影響を感じます。
R&Bやファンク、モータウンサウンドと呼ばれるブラックミュージック。
そして今回のような90~00年代のJ-POP。
さまざまな音楽性が融合して「フレンズならではのポップス」ができているのです。
曲の原案はおかもとえみのデモテープ
バタバタでつくりあげたアルバム
「常夏ヴァカンス」の原案を持ってきたのはボーカルのおかもとえみだそうです。
フレンズは基本的に、まずおかもとがデモテープを持ってくるそう。
今回のデモテープを聴いて、キーボード・ボーカルのひろせひろせは「決まり」と思ったそう。
夏フェスでみんなで盛り上がっている画を想像できたそうです。
しかし制作期間は短く、ライブとレコーディングを交互にやるような多忙な日々。
前日にデモテープを仕上げて当日にレコーディングするなんてざらにあったそうです。
こんなに制作が追い詰められたのは、じつはひろせひろせがライブ中に言ったセリフが原因。
事件は2018年4月の日比谷野外音楽堂で起きました。
ひろせひろせが「夏にアルバムを出します」と宣言したのです。
お客さんは大盛り上がりですよね。
それは当然なのですが、お客さんよりびっくりしたのがメンバー。
なぜって、アルバムを作る話なんて聞かされてなかったのですから。
すべてひろせひろせのゲリラ的な思いつきだったそうです。
スケジュールを照合したら5月中にはアルバムを仕上げないと間に合わないことに気付きました。
当時は4曲しか収録できるナンバーがなく、急ピッチでの制作を余儀なくされたとのことです。
でもひろせひろせはインタビューでこう言っています。
「時間をかけてもこのアルバムになったと思う。これがベスト」
モノを作るときってだらだら作るよりも、一気に仕上げちゃった方が質が上がりますよね。
そういった意味でもこの1枚はハイクオリティなアルバムになっています。
「常夏ヴァカンス」の歌詞をピックアップ!
「大人がくすぐったくなる」ラブストーリー
軽く炎天下超えて 思考回路は意味ないね
僕を狂わせたのは 気のない振り
散々掌の上で躍らせて
僕を狂わせたのは 君を好きなこと
真っ赤なサマー すれ違いざまに
惑わす今 高鳴るフロア
どうせ行くのなら SUMMER
君と二人でサマー
出典: 常夏ヴァカンス/作詞:Emi Okamoto 作曲:Hirose Hirose