「二人」になる頃には

よるべない心二つ寄り添う頃に
本当に悲しみがほら翼広げて

出典: oblivious/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記

当てのない二つの心が、互いに寄り添い合おうとしています。

しかし、その瞬間に一番の悲しみが訪れようとしていました。

二人になれると思ったのに、その希望が打ち砕かれてしまうかのようです。

その様を、「翼を広げる」という幻想的な例えで表しています。

光へと堕ちる

oblivious
夜の中で
真昼の影を夢見るように
きっと堕ちて行こう
光へ

出典: oblivious/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記

「おちる」が「落ちる」ではなく、「堕ちる」と書かれているのが印象的。

物理的な落下ではなく、心や精神的に堕ちていくということなのでしょう。

真っ暗な夜の中で昼間の光を欲することは、多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか。

夜は人の心を後ろ向きにする、不思議な力があります。

それは月や星明かりしかないからでしょう。

逆に太陽が照らす昼間は、人の気分も自然と明るくします。

今、この歌詞の主人公は真っ暗な夜の中にいるような気分なのかもしれません。

堕ちていこうとしていく先の「光」は、悲しみを吹き飛ばす世界。

「空の境界」でいえば、死ぬことと考えられそうです。

恋の結末へ

叶わないと分かっていながらも、抱き続けてしまう恋。

好きな人のことを考えると、色々なことに思いを馳せます。

それを続けながら、いつしか恋は結末に辿り着くのでした。

君と色々なものを感じたい

いつか君と二人
夜を 朝を 昼を 星を 幻想(ゆめ)を
夏を 冬を 時を 風を
水を 土を 空を
we go further in the destiny……

出典: oblivious/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記

ありとあらゆる自然を象徴する現象が並びます。

「君」という好きな人と感じていたい事象なのでしょう。

一見当たり前のものでも、愛する人と一緒ならそれは素敵なものに変わっていくのです。

5行目の英文は「私たちは運命の中で、更に進んでいく」という意味に訳せます。

4行目までに挙げられた世界の要素を感じつつ、共に未来を歩いていきたいと願っているのではないでしょうか。

恋をしながら

oblivious
側にいてね
静かな恋がほら始まるよ
いつか震えながら
二人の未来へ

出典: oblivious/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記

好きな人とは側にいたいと思うものですし、側にいて欲しいとも思うものです。

側にいることで、改めて恋が始まるということでしょうか。

それは楽しく笑い声をあげるようなものではなく、静かで穏やかな恋なのでしょう。

ちょっと切ない感じがします。

どんな恋でも、二人で一緒にいられる未来を夢見るのは変わりません。

それは未来への恐怖による震えなのか。

それとも、歓喜による震えなのでしょうか。

言葉ではない、態度に現れる本心です。

「静かな恋」というのは、そうした情景的な印象が感じられます。

水の歌