AKB48「転がる石になれ」
今回ご紹介するのは、AKB48チームKによる楽曲「転がる石になれ」です。
マイナーながらこの楽曲は、NMB48などにもカバーされており、知る人ぞ知る良曲といえるでしょう。
今回の記事ではその歌詞の意味を紐解いていきます。
そこには、秋元康からの熱いメッセージが隠されていました。
早速、見ていきましょう。
花が咲く理由
その花は誰のために
路傍の花は
誰のために咲いているのだろう?
過ぎ行く人に気づかれないまま…
出典: 転がる石になれ/作詞:秋元康 作曲:山崎燿
冒頭の歌詞からご紹介していきましょう。
まず1行目では、道端に咲く花のことに言及しています。
この歌詞の主人公は、花が咲く理由を気にしているのでしょう。
誰にも気づかれないまま、ただポツンと咲いている花。
ひっそりと咲くが故に、その輝きは誰の目にも届きません。
しかし、それでも花はそこに確かに存在しています。
誰にもみられない花は、誰の為に存在しているのか。
そんなことを考えていることが分かります。
朽ちていく夢
太陽に焼かれ
雨に晒された
いつかの夢が風に吹かれてる
出典: 転がる石になれ/作詞:秋元康 作曲:山崎燿
ここで太陽の日照りや雨という現象に晒されているのも、前述の花であると考えられるでしょう。
雨の日や晴れの日を連想させることによって、私たちに月日の流れを感じさせます。
このパートで特に気になるのが、3行目の歌詞です。
夢という言葉に唐突さを感じます。
もしかすると花という言葉で示していたのはこの夢のことなのかもしれません。
誰にも見向きもされずに日々が過ぎ行く中で、いつの間にか傷んでいく夢。
花と夢という2つのイメージが重なり合っていることが分かります。
石になって進め
孤独と自由の意味
孤独は いつでも
自由の代償に
言葉を失くして
壁は無関心
耐えるしかないよ
出典: 転がる石になれ/作詞:秋元康 作曲:山崎燿
ここで出てくる孤独という言葉も、道端に咲く花というモチーフに関連していると考えられるでしょう。
1つだけポツンと咲くその花。
何にも干渉されない状態であり、限りなく自由といってもいい存在です。
しかしながら誰の目にも付かないということは、孤独であると言い換えることができます。
自由と孤独は表裏一体なのです。
言葉を交わす相手もおらず、ただその状況を1人耐え続ける。
悲しみを感じる光景が描かれています。
ここまで読めば、この花というモチーフを夢を持つ誰かと同化させているということが分かります。
花と石の違い
転がる石になれ
自分のMINDで動けよ
熱く 燃え尽きるまで
時代を変えろ
出典: 転がる石になれ/作詞:秋元康 作曲:山崎燿
ここではそんな夢に破れそうになっている誰かに対してのメッセージが書かれています。
ただ同じ場所で咲き続ける花のように、自分から動き出そうとしない存在に対してのエールでしょう。
ここではその場に根を張る花ではなく、坂道を転がっていく石のような存在になれといっていますね。
転がるという言葉は、周りの環境によってどんどんと変わっていくことを表していると考えられます。
しかしそれは他人に流されることを表しているわけではありません。
自分の考えを持ちながら、自分の意思で進んでいくことをいっているのでしょう。