悩み事や心配事というのは一通り悩み切った後吹っ切れることがありませんか?

どうにかなる!悩んでいても仕方が無い!というような感情。

恐らく主人公もそのような感情になっていたのでしょう。

特に主人公が悩んでいたのはどうしようもない、過ぎてしまった事への後悔のようなものです。

あーすれば良かった、こうすれば良かったと当時の自分の選択を後悔しているようなもの。

そんなものは悩んでいたって仕方がありません。

そういう考えに至りました。

しかし、ふとした時に。

それこそ歌詞の2行目に書かれているような些細な事から、君の事を思い浮かべてしまう。

自問自答をして答えにたどり着いても主人公自身の心が、まだ過去に取り残されたままなのです。

あの頃より大人になった主人公

生き急いで数十年
許せないことばかり
歌詞に書いた人生観すら
ただの文字になる

出典: エイミー/作詞:n-buna 作曲:n-buna

おそらく主人公は様々な歌詞を書いてきたのでしょう。

甘酸っぱい歌詞や切ない歌詞、中には自分の人生観を語った歌詞もあったかもしれません。

生きていると理不尽な目に遭うこともあります。

理不尽な事に対する正当な意見を綴った歌詞もあったでしょう。

しかしそれらの歌詞も生きる時間が長くなるにつれて心に響かなくなりました。

良くいえば成長した、大人になったというのでしょう。

しかし歌詞が心に響いていた頃のキラキラとした感情はもうありません。

あの頃は心に響いて楽しかった事も、現在ではちっぽけに見えてしまう。

そんな虚無感を感じている歌詞のように考えられます。

主人公を支えているもの

ヨルシカ【エイミー】歌詞の意味を徹底解釈!君が心を離れないのはなぜ?最後の歌で伝えたい想いを紐解く!の画像

言葉だって消耗品
思い出は底がある
何かに待ち惚け、百日紅の花が咲く

出典: エイミー/作詞:n-buna 作曲:n-buna

以前より大人になってしまった主人公は自分が取り組んでたものに疑問を感じます。

1行目の歌詞の言葉が出てきた理由としては以前書いた自分の歌詞が心に響かなくなったから。

2行目の歌詞は忘れようとしても忘れられない一緒に暮らしていた君との記憶を指しているようです。

何らかの理由で君がこの部屋に戻って来ることはないのでしょう。

それでも、ふとしたきっかけに君の面影を感じてしまう。

頭では仕方がないと割り切りつつ気持ちが追い付いていない状況です。

そんな心と頭がちぐはぐの状態で時が経ちました。

百日紅の花言葉は「雄弁」「あなたを信じる」という意味。

歌詞の流れからして「あなたを信じる」という意味のように感じられます。

頭では君が帰ってこないことは十分わかっている。

それでも、あなたを信じている。

ひょっとすると君が帰ってくることを信じているのとは違う意味なのかもしれません。

例えば、君が残してくれた思い出。

主人公は思い出に苦しめられつつ、思い出があるからこそ今も生きていられるのでしょう。

ちょっとした現実逃避

このまま、ほら
このまま、何処か遠くの国で浅い夏の隙間を彷徨いながら

出典: エイミー/作詞:n-buna 作曲:n-buna

ぼんやりとした悩み事に時折押しつぶされそうになる主人公。

誰でも追い詰められると少しの間、現実逃避に走ることがあるのではないでしょうか。

主人公も思考を別の事へ走らせることによって現状の苦しみから少しでも解放されようとしているのでしょう。

いずれは悩みの元凶と向き合わなくてはいけない時が来ます。

しかし根を詰めすぎると心も体も良くありません。

睡眠不足の時にフッと意識が飛ぶような感覚が近いでしょうか。

無意識のうちに全然関係なことへ意識を向けることで心を守っている。

ぼんやりとした悩みや不安な為、心労も大きいものなのでしょう。

思い出を歌詞へ

ヨルシカ【エイミー】歌詞の意味を徹底解釈!君が心を離れないのはなぜ?最後の歌で伝えたい想いを紐解く!の画像

さぁ人生全部で君を書いたのに、忘れぬ口癖のよう
想像力が紙をなぞっている
指先にずっと君がいる

出典: エイミー/作詞:n-buna 作曲:n-buna

形容しがたい心のモヤを音楽にぶつけるように主人公は歌詞を書き連ねます。

今までモヤモヤと悩んでいた「君」のことすべてを歌詞へ注ぎ込む

思い悩んでいた「君」のことを音楽にすることで区切りをつけようとしたのでしょう。

それが正解だったどうかは分かりません。

しかし歌詞を書いている間も「君」のことが頭から離れることはなかった様子。

いずれにしろ「君」の事は何かしらの形にしないと、ずっと主人公の心の中に住み続けていたことでしょう。

最後の歌とは

さぁもういいかい、この歌で最後だから
何も言わないままでも
人生なんて終わるものなのさ
いいから歌え、もう

出典: エイミー/作詞:n-buna 作曲:n-buna

結局の所「君」のことを歌詞にしなくても時間というものは進み続けます。

「君」のことを1つの作品として仕上げたのは主人公の意志

客観的に見れば自己満足と捉えることもできます。

それぐらい他人から見れば些細な悩みだったのかもしれません。

しかし自身の心のモヤを形にすることで何かしら前進することができたのでしょう。

最後の3~4行の歌詞部分は半ばやけくそ感があります。

歌詞にしようがしまいが大差ないけれど、その歌詞を歌うことで少しスッキリするかもしれない。

どうしようもない感情を整理できるかもしれないという淡い期待が込められているようです。

n-bunaらしい心の奥に刺さる歌詞

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