心は優しくなれたかな
身体は柔らかく温まって
はじめよう 新しい何かを今
つまらない事ではもう
泣かないぞ
出典: ひかりもの/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
「人は人なしでは生きられない」という言葉があります。
お互いに支え合いながら人は生きているのです。
嬉しい気持ちも悲しい気持ちも、それは誰かがいて初めて味わえる感情。
夢にも同じことがいえるでしょう。
あいみょんのようなミュージシャンという職業も同じで、聴く人がいて音楽は成り立つものです。
しかし誰かがずっと側にいたら、それが当たり前になって他人の尊さに気付きにくいものなのかもしれません。
孤独を感じて初めて、その尊さを知ることができるのです。
それに気付けたことで、心を覆っていた不安は温もりへと変化。
もう同じことで悩んだりはしないと胸に誓います。
流れ出した思いを歌に変えて
橙色の空を眺めると少し
胸の中に押し込んでいた思いが
防波堤を飛び越えて流れてくるよ
引く波に魂も吸い込まれ
出典: ひかりもの/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
夕焼け空にノスタルジーを感じる様子が描かれています。
太陽が沈みゆくほど、塞き止めていた感情は流れ出すのです。
この感情とは1番で描かれていたような不安や孤独でしょう。
もう悩まないとは決めていても、あくまでも塞き止めているだけでなくなったわけではありません。
あいみょんはインタビューで、「ひかりもの」は自分が傷付いたことがきっかけでできた曲だと語っていました。
こうして流れ出た不安や孤独も、あいみょんは音楽に昇華することで乗り越えているのでしょう。
強くなりたい
ただもっともっともっと
私の心が
大人であればいいの?
嘘つきはどっちだよ
優しい笑顔の裏側に
知りたくもなかった顔がある
忘れないぞ あの日の悔しさを
つまらない事ではもう
傷つかない
出典: ひかりもの/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
傷付いたのは自分の心が弱いせいなのか。
そもそも傷付けてきた相手が悪いのではないか。
そんな葛藤が描かれています。
一般的に考えれば、後者の方が悪とされることの方が多いでしょう。
しかしあいみょんの中では悔しかった出来事として記憶に残っているのです。
つまり自分の心が強ければ、傷付きはしなかったということ。
過去を乗り越え、前へ進もうとしています。
人とのつながりに悩み、人とのつながりに救われる
人それぞれに違う心のものさし
私の心の弱点を
知らずに平気な顔して
笑ってるから 泣きそうだな
もっと気の利いた言葉で慰めて
そうすれば少しは
出典: ひかりもの/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
自分のことを知ったような顔で話をされたり、お構いなしに意見をぶつけられたり。
アドバイスや怒られることは“愛情の裏返し”といいますが、そうは思えない瞬間もあります。
周囲からの期待が重圧になることさえあるのです。
あいみょんは「ひかりもの」を制作する直前、親戚を怖いと思った出来事があったと語っています。
もちろん、親戚の人たちも悪気があったわけではないでしょう。
応援したい一心での行動だったのだと思います。
しかしあいみょんにとっては怖くて悲しい出来事として記憶に残っていて。
心のものさしは人それぞれに違うのです。
他人に優しさを求めている
最後のサビは1番のサビと同じ歌詞です。
直前のCメロの歌詞に続くことで、ニュアンスが変わっています。
1番のサビでは孤独から不安を感じ、誰かが側にいてくれたら優しくなれるかもしれないと歌っていました。
最後のサビでは、誰かが優しい声をかけてくれたら自分も優しくなれるかもしれないと歌っています。
どちらも共通しているのは、他人に優しさを求めているということです。
あいみょんは自分を戒めるために、自身を「ひかりもの」だと称していました。
そして同時に注目してもらえることや応援してくれる人たちへの感謝も口にしています。
それがこれまでミュージシャンとして生きてきたことで感じた本音なのでしょう。
「人は人なしでは生きられない」。
人とのつながりに苦しみながらも、人の優しさも知っているのです。
もう心に不安はありません。
決意を新たにこれからも歩み続けていきます。