原曲はインストだった?
「ダンサー」はバナナマンのコント公演用に書き下ろされた、インストの曲が原型になっています。
まわりからの評判が良かったため、歌詞をつけたそうです。ばっちりはまっていますよね。
2015年12月発売の「YELLOW DANCER」に見られるダンサブルな曲調の、片鱗を見ることができます。
その他の収録曲は落ち着いた深みのある「季節」、あたたかみのある宅録サウンドが魅力の「おもかげ」の2曲です。
残念ながらダンサーの動画はありませんでしたので、「知らない」の動画を紹介します。ぜひ、シングルを買って聴いてみてください。
歌詞へのこだわり
足を鳴らして踊りたくなる
足を鳴らして街を歩けば
靴下に染みるリズムが
心を動かして あの雪積もるまで
出典: https://twitter.com/Hoshino_G_NoUta/status/919092681485291520
「明るい曲にしたかった」と語るとおり、出だしか靴をならして踊りたくなるような歌詞ではじまります。
彼は言葉をメロディーに乗せる感覚が独特です。それが歌詞とよく合っていて気持ちをほっこりと盛り上げてくれます。
しかし、聴き進めていくと、ただ明るい歌詞ではないと気付くと思います。
今を楽しむために
足を鳴らして指を鳴らして
人混みの中踊りだせ
孤独を動かして あの家着けるまで
誰でも帰り道に車道に飛び出して
いままで残したこと水に流したいけど
出典: https://twitter.com/Hoshino_G_NoUta/status/886577676735176704
踊りだすことで気持ちを盛り上げ、孤独に飲まれないようにしようと投げかけています。
毎日の生活の中で、ふと寂しくなったり悲しくなったりすることは誰にでもあるはずです。
忘れたい過去やつらいできごとをすべてなかったことにできたら楽です。
しかし、それはできないから今を楽しむために足を鳴らすことが大切なのではないでしょうか。
四季を巡る歌詞
足を鳴らして雨に歩けば
髪の毛に染みるリズムが
心を動かして 秋刀魚が焼けるまで
出典: https://twitter.com/gen_hoshino/status/885381236490764288
この生活を感じさせる「秋刀魚」というフレーズを、違和感なく入れてくるところがすごいです。そして、秋刀魚といえば秋ですよね。
この曲は、「あの雪積もるまで」「秋刀魚が焼けるまで」「海が開けるまで」「桜が開くまで」と四季を逆に回っていく歌詞が隠されています。秘められたテーマがあるところに彼のこだわりが感じられます。
進む道はいらない
君のダンスを 季節を超え
照らし出す 回る景色に
進む道は いらない いらない
出典: https://twitter.com/ah0_chan/status/325747270987431937
この歌詞とメロディーの良さはさすが星野源という感じがします。すごく良いです。
歌詞の中で四季を感じさせ、ここでしっかりとそれを結びつけています。
この曲には季節の移り変わりを感じる生活や、今生きていることを一歩一歩踏みしめて過ごそうよというメッセージが込められているのです。
大きな目標がつらく感じることはありますよね。それに向かう道を進むことだけが素晴らしいのではなく、孤独に負けず日々を過ごすことも素晴らしいのだと伝えたいのではないでしょうか。