にぎやかなパレード
止めないで
反抗期のパレード
連れ出してくれ僕も
人と人に挟まれた窮屈な迷路から
好奇心の旗をあげ脱出するんだ
出典: 発明家/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
冒頭の歌詞から想像するに、この楽曲の主人公は青春の真っただ中にいる少年でしょう。
これは引用部分2行目に「反抗期」というワードが登場していることからもわかります。
さて、主人公がわかったところで歌詞の解説に入っていきましょう。
肝心の主人公ですが、彼はまだ反抗期に突入していません。
反抗期を迎える前の少年には、それが大人になるために通るべき道に見えているようです。
だからこそ、自分も早く大人の仲間入りがしたいと、反抗期を迎えることに希望を抱いているのでしょう。
反抗期という言葉だけ聞くと、どうしても厄介で面倒なイメージを持ってしまいませんか?
しかしここでは、その反抗期を称えるような表現がなされています。
日本ではあまり見る機会のない豪華で盛大なパレードに例えられているのです。
これはもちろんさきほど綴ったように、大人になることへ希望を抱く主人公が見ている世界を表しています。
世間一般が持つネガティブなイメージとはまるで正反対。
むしろ反抗期は、いまの主人公が感じている世界の窮屈さから解放してくれるものに見えています。
この世界から飛び出した先には、いったいどんな景色が広がっているのだろう。
そんな期待に胸を膨らませて、主人公は無事(?)、反抗期に突入していきました。
参加したからには…
常識をぶち壊せ
恐れないで
常識のバリケード
ぶっ飛ばしてズバッと
エジソンの墓参りにコーラを持って行こう
そこに理由がなくても知識がなくても気にしないで
出典: 発明家/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
そんな反抗期真っただ中の主人公にとって、何よりも大きな障害なのが「世間の常識」。
敵対する大人たちが装備し振りかざすその盾は、反抗期の少年少女たちの大きな障害です。
かつての主人公には、大人たちがちょっぴり怖い存在に見えていたのでしょう。
しかしパレードに参加しているいまなら…。もう怖くなんてありません。
周りの少年少女たちと手を取り合って、その壁をぶち壊しにいっている様子が綴られています。
有名なあの発明家にならって…
続けて引用部分後半を見ていきましょう。
ここで世界的に有名な大発明家、トーマス・エジソンの名前が登場していますね。
彼は現代でも使われる様々な技術を発明したことで有名な人物です。
そんなエジソンの墓参りにいこうというのは、一体どういうことでしょうか…。
エジソンの幼少期を覗いてみると、実は大人たちから「相当な問題児」として扱われていたことがわかります。
それはエジソンが好奇心の塊で、見るもの聞くこと全てに「何故?」と疑問を抱き、それをぶつけていたから。
この姿勢はまさに、思春期の少年少女たちが抱く大人への反抗心と似ているのではないでしょうか。
これまで世の中の常識だと思っていたことへの疑問、不信…それらを研ぎ澄ましてぶつけているのが反抗期。
主人公たちにとってエジソンは、反抗期の象徴のような存在なのかもしれませんね。
でも引用部分最後の歌詞を見てみると…?
主人公たちにとっては、ここで目指すべき場所はどこでもよかったのかもしれません。
もしかすると…いや確実に、エジソンにこだわりはないようですね…。
自分たちの気の向くままに、その好奇心に任せて進んでいく様子が比喩で表現されています。
気の向くままにやりたい放題!
バカげたことだって…
風の中にずぶ濡れのまま飛び込んで
ビルに手をかけタワーをこえる
決して夢なんかじゃない!Ah
出典: 発明家/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
まだまだ反抗期絶頂の主人公たちが自由奔放に振る舞う様子が描かれています。
ここの歌詞は反抗期というよりも、もはやこの世代にありがちな「中二病」ともいえそうな行動。
大人たちが「くだらない」「やめておけ」と考えることも、この時期の青少年たちには魅力的に映っています。
それはやはり、反抗期の主人公たちが内に秘めている「好奇心」からくる感情でしょう。
大人たちから見れば無謀に見えることだって、主人公たちには実現可能に見えています。
彼らの好奇心を殺してはいけない。彼らの好奇心をバカにしてはいけない。
作詞した藤原聡さんの想いが滲み出ているようにも感じられますね。
厄介に見えて実は…?
誰もが明日の発明家 研究結果は
独りで悩んでいた冴えない夜の向こうだ
発明家 絶対そうなんだ
何度も何度でもつまづくから僕らはジーニアス
さあ行こうか Ah
出典: 発明家/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡