自信を失うことは、多かれ少なかれ誰にでも起こり得ることです。
そんな時、人はどうやってまた顔を上げられるようになるのでしょう。
思うにそれは、何か強い思いではないでしょうか。
「これだけは絶対に譲れない!」と思える何かを見つけることが、再浮上するヒントになるのです。
正直でいられないと愛だって知ることができない
優しい心を持ちたいのだけれど
時にはがむしゃらに怒って
涙は真に受け止める
愛を知るまでは死ねない私なのだ!
出典: 愛を知るまでは/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
この前のパートでは、自分だけの特別なものを持っていたいと思う気持ちが歌われていましたね。
もしかしたらそれは、何に対しても優しくいられる心のことかもしれません。
理想はそうであっても、実現するのはたやすいことではないでしょう。
自分の感じるままに素直でいることもまた、とても重要なことだからです。
たとえ、そうすることで優しくいられなくなったとしてもです。
理想を諦めてまでそうするのには、きっと理由があります。
それこそが「愛」なのでしょう。
ここでいわれる愛が、どのような類のものを指すのかは分かりません。
恋人への愛、家族への愛、仕事や趣味などといった物に対する愛もあります。
それが何なのかは、聴く人自身の中にあるはずです。
【愛を知るまでは】とタイトルが示しているように、それこそが譲れないものなのです。
これだけはというものを持っていると、それへの愛が深いほど、より強い力になるのではないでしょうか。
今はひたすらに開けた道を進んで行く
導かれた運命辿って
今日も明日も生きて行こう
出典: 愛を知るまでは/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
譲れないものに対する強い気持ちを持ったら、今はひとまず歩いて行きましょう。
そもそもの問題は解決していないし、煩わされることがたくさんあったとしてもです。
燻る日々は続きますが、足元に開けた道があるのは確かでしょう。
自分の思いや努力、あるいは誰かの手助けなども加わって開かれた道、すなわち「運命」です。
石ころの多い、まだならす余地のある道かもしれません。
それでも道があるなら、ひとまずは辿って歩いて行くしかありません。
掴めそうな場所にあった星も…
目の前に見えた星は
幾千年の輝きを失いそう
夢で終わる夢ならば
見なくていいと 自分に言い聞かせた
出典: 愛を知るまでは/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
一度は納得したように思えても、気持ちは激しく浮き沈みを繰り返すものです。
【愛を知るまでは】の中でも、その様子がリアルに描き出されていると思います。
さっきまではどこか前向きだったのに、このパートではまたネガティブな思いに囚われています。
気持ちが充実していた時は、スターダムはすぐ傍にあるような気がしたのでしょう。
あれだけキラキラと輝いていた気がするのに、今はくすんで見える気がします。
それが自分の気持ち1つだと分かってはいても、這い上がる術がなかなか見つかりません。
やるせない思いを抱えると、人はどうしても卑屈になりがちです。
手に入らないものは最初からなければいいという具合に、挑戦する気持ちさえ忘れてしまいます。
本当はどこかにわずかでもあったとしても、気付かない振りをして傷つかないようにしているのです。
燃え盛れないもどかしさ
この楽曲の中に漂っているのは、誰もが共感できそうな「もどかしさ」ではないでしょうか。
一度はポッと火が灯ったのに、いっこうに大きく燃え上がる気配がないのです。
その中途半端さはある意味、灯る火さえなかった方がいいと思えるようなもどかしさを与えてきます。
咲いていることは咲いている
あー まだ咲ききれない
花のような毎日だなぁ
出典: 愛を知るまでは/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
そんなもどかしさをあいみょんは、ここでは咲く花に例えて歌っています。
かつては、彼女自身が抱えた辛い気持ちです。
咲いてはいるんだけど、満開というほどではない状態とでもいうのでしょうか。
ひょっとしたら、咲きる前に散ってしまうのではという不安さえ、そこにはあったのかもしれません。
止まるのは怖いけど休むことも大切
無茶苦茶に走り続けた
身体を今休めて yeah
出典: 愛を知るまでは/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん