この歌詞からも僕は、この汽車には乗っていないということがわかります。
ガリレオ ガリレイこそ、タイトルにある「僕」なんですね。
汽車から飛び降りる勇気
砂ぼこりに君の踏み出した足跡を見つけた
汽車の車窓から転げ落ちたあの日誓った事
出典: 僕から君へ/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
中盤の歌詞からは、悩める「君」が汽車から飛び出したことがわかります。
自分のやりたい音楽の道に進んだ「僕」=ガリレオ ガリレイのメンバー達。
僕に続いて、夢に向かい勇気を出して一歩踏み出した君の姿が歌われます。
ぶら下げるだけの夢ならいらない
歩みを止める言い訳もやめた
背中合わせに歩きだした僕ら
頭上の空は同じ冷たさで続いていく
出典: 僕から君へ/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
ここで僕と君が同じ地平線に立ちます。
現実世界の「空」は誰にでも厳しく冷たい。
それでも、空想の世界に希望はなく、未来のためには頑張っていくしかないという現実。
ただ、そこには「僕」もいるというメッセージが次の歌詞に込められています。
汽車はどこかで汽笛を鳴らして
僕らがふと頭上空高く見上げた未来
出典: 僕から君へ/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
決められたレール上の人生を送る汽車から降りる決断は、とても勇気のいることです。
しかし、そこから外れたことで初めて「僕ら」として同じ立場になります。
汽車は別の世界に向かい、自分たちには現実が見えているとはっきり示しています。
その現実で、夢に向かって生きる姿を見せるのがガリレオ ガリレイ自身です。
その姿が、汽車から降りてみようと思うきっかけになるのかもしれません。
誓いの歌=「僕から君へ」
未来への誓い
この曲の歌詞を全体的に支えている強い言葉として「誓い」があります。
約束よりも強く、実現することを望む意味の「誓い」がいくつも歌詞にみられます。
未来へ歩き出す誓いは、人に押し付けらえるものではなく、自分の中から出てくる言葉です。
僕も君も、夢に向かって歩き出せると励ましてくれる誓いの歌。
この歌を聞くことで、自分の夢を実現すると誓うきっかけにできるかもしれません。
誓いの歌を歌うのは誰か?
後半に二度繰り返される「誓いの歌が聞こえる」というフレーズ。
力強くはっきりと歌い上げられ、しっかり耳に残ります。
進研ゼミに寄せられた宣誓を目にした、尾崎さんが感じたことが伝わる歌詞です。
この曲自体が、ガリレオ ガリレイにとっても、誓いの歌になっているように感じられます。
応援ソングといっても、激しい曲調で「頑張れ!」と繰り返しはしません。
包み込むような透明感のある声質に、ベースとドラムのリズム、メロディアスなギター。
同じ目線で誓うことで、一緒に頑張っている気持ちになれる強さが曲の魅力になっています。
共に現実に立ち向かっていく一体感が、曲の最後には生まれているようです。
ガリレオガリレイの音楽は新展開へ
それぞれの道が再び一つになった新バンド
10代の想いを受け止め、音楽性にもこだわり続けたガリレオ ガリレイ。
しかし、2016年に惜しまれながらも解散となりました。
その後は、尾崎雄貴さん、弟の和樹さん、幼馴染の佐孝仁司さん、それぞれの音楽活動に入ります。
そして、2018年になり、その3人が再び新バンドを組み話題になっています。
それぞれが音楽と向き合って、再び一つのバンドで奏でるドラマチックな展開。
「僕から君へ」の時代から変わらず、音楽の夢を求め続ける姿がかっこいいですね。