ワスレナグサ朝日が映す影が幸せそうだね
古き良き景色も良いけれど僕らだけの景色に乾杯
新しい景色の中過去を忘れたわけじゃない
そこにはたくさんの絆と運命を繋いだ糸
出典: December 9/作詞:たつや◎ 作曲:たつや◎,LIKI
これまでそれぞれの信念に基づいて音楽を愛してきたACE COLLECTIONの4人。
4本の道は交わらないままだったはずです。
しかしバンドを結成したことで道がひとつに集約されました。そして歩き出したのです。
それぞれの道と、まだ短いけれど確かに4人で歩んできた道があります。
どちらも大切で、どちらかが欠ければ今の4人はなかったでしょう。
この曲では「今」を作る過去の自分たちにスポットを当てています。
楽曲の疾走感は、彼らが全力で駆け抜けた証。
結成日がタイトルになっている理由が分かりますね。
3.鬱憤
カバー曲を中心に配信していたACE COLLECTIONが、初めてリリースしたオリジナル曲が『鬱憤』です。
時間あたりの言葉数の多さに驚かされます!まるでラップです。
たまった鬱憤を表現しているのでしょうか。
それなのに全ての言葉がしっかり耳と心に届きます。
メロディと歌詞が小さな組木細工でもするように綿密に組み上げられているからでしょう。
こんなにも想っていたのに!
君の最寄りまでわざわざ会いに行った20分間と
君と手を繋ぎあって過ごした6時間は幸せだった
お別れする2分間のホームの上でキスした3秒間と
君と付き合った2年間と3ヶ月と5時間と52秒は無駄
出典: 鬱憤/作詞:たつや◎ 作曲:たつや◎,LIKI
女性視点で描かれる恋愛は「終わった恋」。
愛想を尽かした彼のことを懇切丁寧に説明できてしまう彼女の本音が、薄っすら透けて見えます。
彼と過ごした時間を秒単位でカウントしていたことが歌詞から分かります。
実際にそれが正しい数値かどうかはさておき、積み重なる時間をとても大切にしていたのでしょう。
別れへのカウントダウンが始まったら、残された時間を指折り数えたのでしょう。
未練があるくせに強がって悪態をつく女性。たつや◎はどこからこんなネタを仕入れたのでしょうか。
4.Lady
ACE COLLECTION3作目のオリジナル曲となったのが『Lady』です。
キラキラと瞬く星のようなピアノの音色が美しく、滑らかな口当たりのロックという印象を受けます。
曲名の通り、ひとりの女性への想いを綴ったラブソング。
ロックでありながら、じっと聴き入ってしまう魅力があります。
今できることは?
卒業してから2年が経って 今君はなにをしてるの
君があの日月灯りに 照らされて泣いたりするから
僕は今も君に会いたい でもその気持ちは押し殺して
食いしばって生きてる
出典: Lady/作詞:たつや◎ 作曲:たつや◎,LIKI
あの日言っておけばよかった。でも、あの日言ってしまったら何かが壊れていたかもしれない。
後悔すると、それをフォローしようとする自分が顔を出します。
今すぐにやりたいことがあるけれど、やってしまったら人生が崩れるかもしれない。
自分を押し止めるための理由も探します。
目の前にぶら下がっている人参に従順に生きるのもひとつの人生です。
しかし、流れに身を任せてラクな生き方をしたら、フォローのしようがない後悔が襲うでしょう。
今やるべきこと、言うべきことだけを胸に抱えて人は生きていくのです。
5.君と花したい
水玉のワンピースを着た女の子がくるくると踊りながら出てきそうなキュートなメロディ!
ACE COLLECTIONの守備範囲の広さを見せつけられる曲が『君と花したい』です。
一緒に旅に行けない理由
私が旅に出たら小説に明け暮れる毎日でも
ちゃんと花のお世話してねいつも黙って水やる君が
突然言ってきた旅に出るなら一緒に出ようよ
僕が返すと君は 笑いながらそーねと言った
出典: 君と花したい/作詞:たつや◎ 作曲:たつや◎,LIKI
彼女の旅路に、彼がついていくことはありませんでした。
たったひとりで旅に出てしまった彼女の行き先には、どんなに高性能なジェット機を使ってもたどり着くことができません。
きっと彼は彼女との約束を守って、花の水やりをしているのでしょう。
彼女が存在し、言葉を交わし、笑顔を交わした証明なのです。
愛らしいメロディに隠されていた恋は、胸を締めつける物語でした。