「ロビンソン」といえば、やはり思い浮かぶのはサビの「ルララ~」の歌詞でしょうか?
確かにサビも魅力的ですが、今回は敢えて2番Aメロの歌詞に注目したいと思います。
メロディーがなくても、この歌詞を読んだだけで切なくなりませんか?
捨て猫と自分を重ねるなんて、いったいどれほどの憂鬱を感じているのでしょう。
投げやりなようにも見えますが、諦めきれない気持ちもそこにはあって……。
「ロビンソン」は失恋ソングというわけでもないのに、切なさが全開ですよね。
その切なさが特に詰め込まれているのがこの2番Aメロだと思います。
恋することの素晴らしさをポップにではなく、しみじみと歌うところがスピッツらしい。
きっと「切なくない恋なんてない」ということなのでしょう。
「ロビンソン」が妙に切なく聴こえるのは、”恋しさ”を歌っているからかもしれませんね。
第2位「魔女旅に出る」
この曲はスピッツが売れる前の曲ですから、知らない人も多いかと思います。
実は、世間に藤井フィーバーを巻き起こしたプロ棋士の藤井聡太七段(2018年8月現在)もこの曲が好きだそうで……。
藤井七段は、相当コアなスピッツファンのようですね。
曲調はバラードに近いですが、意外とロック好きの人がハマる曲ではないかと、個人的には思います。
「魔女旅に出る」は、聴けば聴くほど味が出る曲。
初めはピンと来なくても、繰り返し聴いているうちにいつの間にか好きなっていた。
そんな体験ができる曲だと思います。
君を笑って送り出す
今 ガラスの星が消えても
空高く書いた文字
いつか君を照らすだろう
歪んだ鏡の向うに
忘れてた道がある
さあ まだらの靴を捨てて
出典: 魔女旅に出る/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
「魔女旅に出る」は、とにかく内容の濃い歌詞になっています。
本当はフルで歌詞解釈したいところですが、今回は筆者が最も好きな部分を抜き出して紹介します。
まず初めに解説しておくと、「魔女」というのは恐らく彼女のこと。
何かしらの理由があって遠くに行ってしまう彼女を見送る歌だから「魔女旅に出る」なんですね。
上記は2番Aメロの歌詞。
1行目では街灯を表し、2行目では星座を表しているのではないでしょうか?
つまり、この先挫折してしまうことがあっても、道を示してくれる光は必ずあると彼女を応援しています。
難しいのは最後の行にある「まだらの靴」。
これは一体何を指しているんでしょう?
汚れた靴なんか脱ぎ捨てて、新しい一歩を踏み出そう。という意味ですかね?
人によって色々な解釈があるとは思いますが、この曲が別れの歌であることは間違いありません。
しかも自分は見送る側。
引き留めたい気持ちを必死で押さえて、笑顔で彼女を送り出してやる。
そんないじらしさが垣間見えて、無性に切なくなります。
失恋ソングとは一味違う、哀愁漂う曲ですね。
第1位「スピカ」
堂々の1位に輝いたのは1998年発売の19枚目シングル「スピカ」。
この曲はスピッツの大ヒット曲「楓」と両A面シングルとして収録されました。
冒頭のギターが印象的なこの曲。
曲調はどちらかといえばポップな感じて、明るい印象を受けます。
歌詞もポジティブな言葉が多く使われており、スピッツの中では比較的分かりやすい歌ですね。
しかし、ただの明るい曲で終わらないのがこの「スピカ」という曲。
その歌詞には、深いメッセージが隠されているのです。
すべてを優しく包み込む
粉のように飛び出す せつないときめきです
今だけは逃げないで 君をみつめてよう
やたらマジメな夜 なぜだか泣きそうになる
幸せは途切れながらも 続くのです
出典: スピカ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
1番のサビで歌われているのは、きっと好きな人と2人で過ごす夜。
「君」は恋人なのか、それとも片想いの相手か……。
好きな人を前にして溢れ出す感情に切なくなって、逃げ出したくなって。
だけど、ちゃんと「君」と向き合っていきたい。
恋のときめきと切なさがごちゃ混ぜになって、泣いてしまいそう。
そんな繊細で、輪郭を持たない曖昧な感情だからこそ「粉のように~」と表現したのではないでしょうか?
恋をすると、嬉しくなったり、寂しくなったり……忙しいですよね。
でも、幸せはなくなったりしない。たとえ、この恋が終わってしまったとしても。
スピカは決して前向きな感情だけを歌った曲ではありません。
訳もなく泣けてしまうそんな夜に、哀しみごと抱きしめてくれる優しい曲です。
最後に
スピッツの曲は、どれもときめきで溢れています。
それはきっと、恋の素晴らしさだけでなく、切なさも歌っているからでしょう。
人を好きになると毎日が楽しくて、けれど同じだけ切ない気持ちにもなります。
切ないからこそ、胸がキュンとなる。
そんな曲がスピッツには他にもたくさんあります。
今回の記事では紹介していないスピッツの胸キュン恋愛ソングを5曲紹介します。
この曲を聴けば、きっと恋がしたくなること間違いなし!
恋するあなたに聴いてほしい スピッツの胸キュン恋愛ソング5選 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
幅広い年代に愛されているバンド・スピッツ。出会いや別れなど様々なシチュエーションの恋の歌があり、草野マサムネさんの歌声が胸に沁みます。今回は、数ある名曲のなかから、特に胸キュンな恋曲を紹介します。