コメントの通り、色々と違いはありますが…

構成などは歌詞に影響がないので、この考察で考えるべきは歌詞の変化のみ。

ですが、発売時期の関係で変更になっただけなので、これも考える必要はありません。

では、歌詞の内容に入っていきます。

ここで語られるのは、どこにいても「君」の面影を探してしまうという喪失感です。

傘もささずに濡れながら歩く主人公。

人からどのような視線を向けられようとも、構わないのです。

今はとにかくひとりになりたい

季節が移ろい、暖かくなれば「君」のことも思い出にできるかもしれない、そんな思いを自ら確認しています。

「君」は二度と戻ってこない

僕の時間も止めて欲しい

このまま 時間を止めて
悲しみ 涙 枯れるまで
もう一度 今心の声を
愛の調べに乗せて、、、、。

出典: Rainy ~愛の調べ~/作詞:yasu 作曲:yasu

季節をまたぐほどの時間が必要になるくらい、大きな喪失感を抱える主人公。

これまでの流れで、「君」を失った精神的ダメージが異常に大きいことがわかってきました。

これほどの喪失感を与える別れ方とはいったいどのようなものなのか。

しかしそれについて、曲中では明確に語られていません

それを読み解くヒント。

それがこの部分の歌詞に隠されています。

この「時間を止めて」という表現

本来なら、立ち直って新たな恋に向かったり、忘れようと頑張るはずなのです。

しかし主人公はそうではありません。

時間を動かして欲しくない、むしろ戻して欲しいと言わんばかりの悲痛な叫び

もう「君」を失った自分の時間も一緒に止めて欲しいのだと言っています。

このことから、「君」と離れたことで自分の時間が止まってしまったのではないことがわかりました。

そうです。

時間が止まったのは「君」の方だったのです。

恋人としての別れなのか死別なのか

君との 想い出だけは
一つも 雨は流さない
短すぎた季節の中で
まだ君が笑ってる
どれだけ 記憶辿っても
どれだけ 時間が過ぎても
こんなに 忘れられないくらい
愛したのは君だけ、、、、、。

出典: Rainy ~愛の調べ~/作詞:yasu 作曲:yasu

止まってしまった「君」の時間。

これが大きなキーワードとなります。

このキーワードと合わせて考えるべきは、冒頭で触れたキーワードのひとつ「捧げる」という表現です。

通常、「贈る」となる方が自然でしょう。

しかし主人公は「君」に対して「贈る」ではなく「捧げる」という表現を使っているのです。

そして上記の歌詞。

こんなにも記憶に残る強烈なイメージは、「君」にただならぬことがあったと推測できます。

もし仮に突然「君」にフラれただけなら、ショックを受けるにしてもそこまでではないでしょう。

そうなると、主人公はなんの前触れもなく「君」という存在を奪われたのではないでしょうか。

そう考えると様々な部分で合点がいきます。

どんなに泣いても、雨が降っても、季節が巡っても忘れられないくらい深い傷を負った主人公の心。

そして突然奪われて止まってしまった「君」の時間…このことを全て合わせて考えると答えが出ます。

「君」に起こったこと。

その真相は「君」との死別だったのです。

事故なのか、病気なのかはわかりませんが、その予兆が全くなかった中で突然の別れ。

だから冒頭のサビで「最後に捧げる」という表現になっていたのです。

お別れすら言うことができない状況。

考えられないくらいの衝撃が主人公を襲ったことは、想像するだけでも胸が張り裂けそうになります。

「君」という存在を命ごと、しかも突然奪われ、二度と戻ることがないという現実。

これが、この曲全体に漂う主人公の喪失感の正体だったのです。

主人公に見えた明日とは

雨上がりの空に掛かるもの

二人で 輝きながら
確かな 愛を育てたよね
広がる 雨上がりの空に
僕の明日が見えた、、、。

出典: Rainy ~愛の調べ~/作詞:yasu 作曲:yasu

しかし現実は現実として受け入れるしかないことを主人公は理解しています。

いくら悲しんでも、泣いても、叫んでも「君」が生き返るわけではないのですから…

主人公と「君」との付き合いはそこまで長いものではなかったことが、これまでの歌詞でわかります。

まるで季節が過ぎるように短い時間の中でたくさんの愛を育んだふたり。

そうして育んだ愛は、主人公の中にしっかりと根付き、生き続けているのです。

人を心から愛することの素晴らしさを教えてくれた「君」。

もう二度と戻ってこない「君」が残してくれたとても大きな宝物です。

その宝物を胸にこれから先、「君」のいない人生を精一杯生きていこう。

たくさん泣いて悩んで苦しんだ結果、暗闇に差し込む光が虹をかけるように主人公の心が解放されていきます。

そして主人公は明日に向かう決意ができたのです。

壮絶な悲しみの果てに見つけた答え。

これから主人公はゆっくりでも前を向いて進んでいけることでしょう。

「君」との思い出を胸に抱きながら…

これでこの曲の考察を終わります。

まとめ

映画にできそうなほど切なく、ストーリー性に満ちた『Rainy~愛の調べ~』の世界。

いかがだったでしょうか。

年齢にもよりますが、普通に過ごしているだけではなかなか経験することがない状況です。

その悲痛な経験によって主人公の心が荒み、そして晴れていく様子が克明に描かれていました。

こうした精神描写はJanne Da Arcが得意とする部分です。

そんなJanne Da Arcですが、他にも濃厚な歌詞を携えた楽曲をたくさん世に送り出しています。

深い歌詞をもっと知りたい!

そう思う人がとても多いので、Janne Da Arcの曲の中で歌詞を検索された数に目を向けてみましょう。

そして検索数でランキングした記事があるのでご紹介します!

【ご紹介】Janne Da Arcの歌詞検索ランキング!