倒しては蘇生を繰り返す心理は

The magical potion of reanimation
Bittersweet cranberry flavoured euphoria
Rise from bed my darling

So I can see you again
So I can kill you again


魔法のポーションは蘇生薬
ほろ苦いクランベリー味の幸福
ベッドから立ち上がって 愛しい君

もう一度君に会うため
もう一度君を殺すため

出典: Ga1ahad and Scientific Witchery/作詞:momocashew 作曲:Yamato Kasai、momocashew

一度は倒した魔女を蘇生薬を使って蘇らせようとするガラハッド1号。

倒した魔女を蘇らせてしまったのは、彼が彼女を愛していたから。

しかしそこには「もう一度殺す」という言葉も見られます。

この複雑な心理は一体何を物語るのでしょう。

My brains accelerate(And I'll)
Reassemble you again

The witches can't be loved
So bravely I fought
They fell and failed
My Lady doesn't wilt

加速する脳(そして僕は)
もう一度君を組み立てる

魔女は愛されるべき者じゃない
だから僕は戦う
敵を倒し 勝利する
マイレディーは絶対枯れない

出典: Ga1ahad and Scientific Witchery/作詞:momocashew 作曲:Yamato Kasai、momocashew

愛していても彼女を殺さないといけないのは、魔女が自分にとって敵だからという理由でした。

察するにガラハッドは正義のためのロボットなのでしょう。

対する魔女は世の中にとって悪であり、倒さざるを得ないのです。

そして魔女である彼女は何度死のうとも薬を使えば蘇ります。

彼女を愛するが故、何度も蘇生を繰り返してしまうガラハッド。

しかし正義のロボットである自分は再び彼女を倒さなければならない。

立場と感情の間で揺れる複雑な心理が表現されています。

魔女の見せるガラハッドへの愛

Poisoned sandwich tea party starts now

Eat up
It's your turn
Eat till you drop

Eat up
Eat it all just eat it all
Cause there's no poison after all

毒入りサンドイッチのお茶かいが始まるわ

食べてみろ
お前の番だ
倒れるまで食せばいい

食べなさい
もっと食べなさい
本当は毒なんて入れてないから

出典: Ga1ahad and Scientific Witchery/作詞:momocashew 作曲:Yamato Kasai、momocashew

描かれるのは毒入りサンドイッチを使ったロシアンルーレットのような攻防。

楽曲内ではさらに細かくやり取りが行われているのですが、ここでは中略させていただきます。

ロシアンルーレットを提案したのは魔女の方。

それを受けて立ったガラハッドですが、結局毒など最初から盛られていなかったという結末を迎えます。

魔女はガラハッドを倒すつもりなどないのです。

自分を倒そうとする彼を倒さない彼女が抱える想いもまた、ガラハッドに対する愛なのでしょうか。

I've cleared mountains and dungeons
Iron maiden
My Lady has spoken
"Ga1ahad, you will shall never collapse"
So I charged up my lasers

山を越え 地下牢を這いずり
鉄の処女 マイレディーが語る
「ガラハッド1号 君は失敗してはいけない」
だから僕は光線銃を充填した

出典: Ga1ahad and Scientific Witchery/作詞:momocashew 作曲:Yamato Kasai、momocashew

鉄の処女のくだりは、魔女がいかに屈強で世の中から見て厄介な存在かを表すもの。

彼女を蘇生しては殺していたガラハッドですが、それは彼女の促しもあったようです。

察するに彼が任務を遂行出来ないとなると失敗作だと見なされ、相応の処置をされてしまうのでしょう。

自分の使命故に、愛する人を殺めなければならない。

しかも彼女もそれを咎めることはないのです。

科学的黒魔法でアップグレード

Talila lulila
That makes your bones stronger than steel
Tulila talila
That backs up your thoughts to the cloud

Turn to page 617 — Scientific Witchery

タリラ・ルリラ
骨を鋼よりも硬くする魔法よ
トゥリラ・タリラ
想いをクラウドにバックアップする魔法よ

ページ617 「科学的黒魔法」の章へ

出典: Ga1ahad and Scientific Witchery/作詞:momocashew 作曲:Yamato Kasai、momocashew

この部分も中略させていただきますが、魔女がガラハッドをさらに強い戦士にするため魔法を掛ける描写が続きます。

科学にのっとって行われるそれは、タイトルにもなった「科学的黒魔法」。

ロボットである彼を強化するにはもってこいの魔法だったのかもしれませんね。

ランスロットは「不義の恋」の象徴

Someday
I’ll conquer the land have you slayed

Blast away
Blast away
Don’t be like Lancel0t
You are the new upgrade

いつか
僕は世界を征服しお前を討ち破る


撃てばいい
撃てばいいわ
ランスロット0号と違って
君は新しいグレードのはずよ

出典: Ga1ahad and Scientific Witchery/作詞:momocashew 作曲:Yamato Kasai、momocashew

魔法によって手にした力で世界を征服しようというガラハッド。

世界を征服してしまえば、愛する彼女を殺める必要もなくなるはずです。

辻褄を合わせると、彼が討ち破ると言っているのは自分の持つ使命のことでしょう。

ランスロットと言われて思い浮かぶのは「アーサー王物語」。

物語の中でランスロットは王妃との不義の恋によって円卓の騎士を分裂へと導きました。

主君アーサー王の王妃グィネヴィアとの不義の恋と、それにより円卓の騎士の分裂の一因となった人物である。ガラハッドは息子であるが、同時にランスロットの本名もガラハッドである。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ランスロット