宮本浩次【Do You Remember?】歌詞の意味を徹底解釈！かつての夢に男が馳せた想いとは

ギタリストに横山健を迎えてレコーディングされたDo You Remember?。

豪快でスピード感のあるギターと、宮本浩次が直接対決を果たしたようなハードなナンバーです。

コード進行自体は明るくてメロディアス。

その上で、読書好きな宮本浩次の詩的な表現が響きます。

Do You Remember?で思い出されているのはどんな風景なのでしょうか。

歌詞を紐解いて、主人公がどんな人間なのかを徹底解説していきたいと思います。

Do You Remember?のMVは、スタジオで練習中の風景をそのまま録画したような映像です。

下を向きながら、しかし思い切り歌う宮本浩次。

椅子に座った状態でレスポールをかき鳴らす横山健。

カメラは、交互に演奏メンバーを映していきます。

もしかすると、それぞれが「Do You Remember?」という気持ちを投げかけているのかもしれません。

演奏メンバーそれぞれに、思い出す景色があるようです。

文学的な描写ではじまるDo You Remember?

歌詞の主人公は、ある男を見てみろと言います。

逆光なので顔はよく見えないのでしょう。

しかし主人公は、男が泣いていると知っています。

泣いているのに、誰も男の顔を見ることができないと言っているのです。

つまり、その男の気持ちを知っている人はいないということでしょう。

誰でもいいから、彼に目を向けてあげてほしい。

そんな心情なのだと思います。

もしかすると、この男がイコール主人公なのかもしれません。

誰かに、自分の気持ちを気づいてほしいのでしょう。

他人はその男を見ても、知らんぷりで行ってしまうのでしょう。

ガードレールで泣いている人物に声をかけ、厄介ごとに巻き込まれたくないのです。

あるいは、興味が湧かないのかもしれません。

一連を見つめる主人公の心情は、次の情景描写に現れています。

太陽が不穏だと言っているからです。

太陽は、普通なら陽気さや希望の象徴ですが、ここではマイナスイメージで捉えられています。

その光にありがたさなど感じず、気味の悪さを感じ取っているようです。

心情的には、何を見ても心に希望が湧かないということがいえるでしょう。

それ以上に、太陽を悪いイメージで表現する宮本浩次の独特なセンスに脱帽です。

言葉が強烈になってきました。

辺りは血にまみれているのでしょうか。

そして血が、風に乗って主人公にぶつかっていくのです。

具体的にどんな状況かはわからないですが、凄惨な風景ですね。

実際に起こっているのではなく、そのような心情なのだと喩えているのだと思います。

歌詞の主人公は、夢を追うことに耐えきれなくなってしまったのかもしれません。

ただ、ボロボロになった後も心の奥に何かが残っていると言っています。

それに気づけない自分に苛立っているのかもしれません。

耐えきれなくなって、叫んでいるようです。

心の奥の奥に未だたどり着けず、どれだけ進めばよいかわからないからでしょう。