いきものがかりのシングル「あなた」の歌詞を紐解く

家族や恋人など自分にとって大切な人は、きっと相手から見ても自分のことを「大切な人」だと思ってくれていることでしょう。

大切な人が悩んでいるとき・苦しんでいるときに「ひとりじゃない」と伝えるのは、相手の近くにいてお互いを大切に想いあっている自分だからこそできる手助けです。

自分の幸せだけでなく、「あなた」と一緒に幸せになることを願っている。そんな想いが見える歌詞ですね。

お互いを大切に想いあえる「あなた」という存在。とても愛しくて大切な存在ですが、それでも2人は別の人間です。

どれだけ近くにいる存在でも、距離が必要なときもあります。また、近くにいるからこそぶつかるときもあります。

ときには一旦距離を作ってみる。それもまた、お互いを大切にするために必要なことです。

人間にとって必要なのは、常にくっついて離れない存在ではなく、支えが必要なときに変わらずそばにいて笑ってくれる人ではないでしょうか。

そんな人がいるからこそ、人は安心して生きていけるのだと思います。

曲中の「わたし」は、相手にとってそんな存在になりたいと思っているのではないでしょうか。

お互いを支えあいながら、近づき過ぎないような距離感も保って一緒に生きていく。それは、決して簡単なことではありません。

しかし、たとえそれが難しいことでも「あなたのとなりにいたい」「あなたと寄り添っていきたい」という想いを曲中の「わたし」は持っています。

そんな存在こそが人々の「希望」になる。「わたし」は、「あなた」にとっての希望になりたいと思っているのではないでしょうか。

最後のサビで描かれるのは、ひたすらに前を向いて未来を見つめているような視点です。

「わたし」が見つめる先の未来には必ず「あなた」がいて、だからこそその未来を素晴らしいものにしたいと思っているのではないでしょうか。

生きていく上で必ずくり返される悲しいことや嬉しいこと。この曲ではそれらをちゃんと見据えています。

そして、そんな未来やそれをともに生きていく「あなた」という存在を全て受け入れる覚悟も描かれています。

誰かと生きていくことには、そんな「覚悟」も必要なのではないでしょうか。

歌詞には優しく想いを伝える言葉が並びながらも、覚悟を見せるような力強いメッセージも含まれています。

いきものがかりの「あなた」は、優しさと力強さを併せ持ったメッセージソングです。

誰かと一緒に生きていく。それがどういうことなのかを再確認させられるような歌詞が印象的ですね。

特別な相手への想いを歌った「あなた」。自分にとっての大切な人を思い浮かべながら、是非聴いてみてください。